MLB 今夏開催への希望!米感染症の権威「方法はある」提示した3条件とは…

[ 2020年4月17日 02:30 ]

アンソニー・ファウチ国立アレルギー感染症研究所長(AP)
Photo By AP

 米政権の新型コロナウイルス対策チームで中心的役割を担う国立アレルギー感染症研究所長のアンソニー・ファウチ氏(79)が、大リーグなどのプロスポーツについて、条件付きで今夏の開催が可能であると述べた。スポーツ専門局ESPN(電子版)など米メディアが15日(日本時間16日)、報じた。ファウチ氏は開催実現へ「無観客」などの3条件を挙げた。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開幕のめどが立たない大リーグ。感染症の権威で、現在は米政府の同ウイルスへの対応策も指南するファウチ氏が、中断中の米プロスポーツの再開について「方法はある」とし、今夏の開催を実現するための3条件を示した。

 ファウチ氏が挙げたのは(1)無観客試合(2)選手のホテル隔離(3)週1回のウイルス検査実施――の3点だ。同氏は「球場には観客を入れない。(選手を)開催地の大きなホテルに滞在させて、しっかりと監視する。毎週検査を行って、互いや家族に感染させないようにする」と説明した。

 現在、大リーグではアリゾナ州に全30球団を集め公式戦を開催する案が検討されている。同州では15球団が春季キャンプを実施。ダイヤモンドバックスの本拠チェース・フィールドを筆頭に球場、練習施設が11カ所(5カ所が共用)も存在する。各球場間の移動は最長でも1時間程度で感染リスクを軽減できるのが利点。関係者によると開幕はアリゾナで迎え、保健当局によって移動が安全と判断されれば他地域でも試合を行い、年間80~120試合を想定しているという。その他にもフロリダ、アリゾナ両州のキャンプ地に各15球団を集め、リーグを再編する案も検討中だ。

 大リーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーはAP通信の電話インタビューに応じ「全ての可能性を探る義務が我々にはある」と語った。米国では同ウイルスの感染者が60万人を超え、死者も3万人超。シートンホール大の調査によるとワクチンが開発されるまで試合観戦を控えると答えた人の割合は72%となっている。

 「どのような立場であれ、状況の変化を見守って情報を集め、何が可能か現実的な選択をしないといけない」とマンフレッド氏。日々変わる状況を注視しながら、あらゆる選択肢を検討していく。

続きを表示

2020年4月17日のニュース