ヤクルト高津新監督“神宮初勝利”真の開幕戦勝利へ選手の心身調整配慮「100%の力を発揮できるように」

[ 2020年3月21日 05:30 ]

練習試合   ヤクルト7-2阪神 ( 2020年3月20日    神宮 )

阪神との練習試合、7回無死、左中間ソロの西田を迎える高津監督(右から2人目)(撮影・大森 寛明)
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 もし開幕だったら…。プロ野球は20日、無観客での練習試合として4試合を行った。当初の開幕予定日だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために4月10日以降に延期。就任1年目の高津臣吾監督(51)は開幕カードだった阪神を相手に快勝し、4番の村上宗隆内野手(20)が5回に中押しの適時三塁打を放った。終息が見通せない中、「初陣白星」に向けて練習試合を続けていく。

 歓声のない神宮球場。名物の東京音頭も聞こえない。本来なら開幕戦での初勝利だが、高津新監督に笑顔はない。「(開幕していれば)1勝0敗」と冗談めかしながらも「本当の開幕に向けて、いろいろ試してミスしたら反省して良かったと言える開幕戦にしたい」と見据えた。リードした展開でも9回裏の攻撃まで行う特別ルールの練習試合。神宮での今季初勝利の余韻に浸ることもなかった。

 それでも、完璧な試合運びで実戦の連敗を7でストップした。2点リードの5回2死一塁から4番の村上がエドワーズの初球、147キロ直球を右中間に運んだ。「初球からいいスイングができた」。二塁ベースを回ったところでスピードを緩めたが、再加速して三塁打。下半身のコンディション不良でキャンプ途中に離脱していたが、復調を印象づけた。

 新指揮官が組んだ新打線。その中心に座るのが20歳の大砲だ。新人だった18年には2軍監督として1年間、指導した愛弟子。今季、4番で起用し続け、球団史上最年少となる開幕4番を任せる可能性が高い。村上も「4番に座るならチャンスで回ってくると思うので責任を果たしたい」と言う。1軍で今季初長打&初打点。7回にも右前打を放つなど2安打で期待に応えた。

 開幕日は依然として不透明だが、準備を怠ることはできない。高津監督は「僕らも頭で考える難しさはある。でも、選手はプラスして体調(を維持すること)であったり、もっと難しい。100%の力を発揮できるように準備させてあげたい」。本来ならば先発日だった開幕投手の石川の登板を飛ばした。青木や山田哲を2打席で交代させるなど、主力の心身の調整に配慮しながら、真の「開幕戦勝利」をつかみにいく。(黒野 有仁)

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