“走る虎”で4連勝フィニッシュ!見せつけた矢野イズムの進化形

[ 2020年3月16日 05:30 ]

オープン戦   阪神6―4オリックス ( 2020年3月15日    京セラドーム大阪 )

<オ・神>4回1死三塁、原口の三塁ゴロで本塁突入し生還する近本(撮影・後藤 正志)
Photo By スポニチ

 阪神が「矢野イズム」を見せつけ、オープン戦4連勝フィニッシュを飾った。矢野監督が2軍監督時代から浸透させてきた足を絡めた「超積極的野球」を最終戦でも展開。3、4回の得点は常に先を狙う走塁でもぎ取り、就任2年目のチームの成長を強調した。

 「やっぱりウチのいい部分でもあると思うんでね。盗塁が付かない場面でも、一個でも前に進むという気持ちを常に持ってチームでやりきっているんで。これは今季もずっと大事にやっていきたい」

 まずは3点を追う3回の攻撃だ。先頭の陽川が遊失で出塁。1死から小野寺も三失で出て一、三塁となると、重盗を仕掛けた。田嶋の一塁けん制で小野寺が飛び出し、一、二塁間で挟まれている間に三走・陽川も思い切ってスタート。相手の連係プレーが乱れる間に本塁を陥れた。

 「送球もちょっと高かったからセーフになった部分はあるけど、いいタイミングで、やれることをしっかりやった走塁だと思う」

 無安打で奪った1点は相手のミスのおかげでも、何か仕掛けてくるという姿勢がプレッシャーをかけたのも事実。オープン戦の盗塁企図数は昨年17試合で19に対し、今季12試合で21と割合が大きく増えた。4回も、先頭で中前打した近本が二盗と暴投で三塁まで進み、原口の三ゴロが野選を誘い生還した。

 今の1軍には島田、熊谷、植田ら矢野監督が2軍時代から指導してきた俊足がそろう。延期により、開幕1軍争いはこれから本格化するが、どの選手が出ても相手を引っかき回すような攻撃は可能だ。

 「チームとしてはいい締めくくりができたというのはもちろんある。競争して全体のレベルが上がって来ているという手応えは、感じています」

 オープン戦は7勝3敗2分けで12球団3位。5勝11敗1分けで11位だった昨季より大きく成績を伸ばした。例年とは意味合いが違う節目でも、開幕がいつに決まっても好発進できる態勢は整っている。 (山添 晴治)

続きを表示

この記事のフォト

2020年3月16日のニュース