広島・大瀬良 開幕譲らん!開幕延期も「僕がいく」

[ 2020年3月13日 05:30 ]

キャッチボールする大瀬良
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 広島・大瀬良大地投手(28)は12日、マツダスタジアムでの投手練習に参加し、日程変更前に指名された開幕投手を譲らない決意を示した。20日の中日戦で2年連続の大役を務める予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて公式戦の開幕が延期。火曜日に開幕する可能性もある中、指揮官に託された責任感を貫き通したい考えを明かした。

 日程次第で揺らぐような覚悟ではない。新型コロナウイルスの感染拡大は終息の気配を見せず、シーズン開幕の見通しは立っていない。開幕日が世間の情勢に左右される異例の現状にも、大瀬良は開幕投手へのこだわりを隠さなかった。

 「任せたと言われたところで…と言うよりも、僕が(開幕戦に)いくつもりで。最初に言われた以上、責任を持ってやりたい」
 昨年末に佐々岡監督から2年連続での開幕投手を伝えられた。3月20日に予定されていた中日との開幕戦を見据えて、前回登板の6日の西武戦、13日のソフトバンク戦とカード頭の金曜日に登板日を合わせてきた。しかし、日程が白紙となったことで、同一カード3連戦の初戦にあたる火曜日にシーズンが開幕する可能性も浮上。佐々岡監督は「開幕が金曜日になれば、当然大地に任せる。曜日が変わるなら考える必要もある」と慎重な姿勢を示したが、右腕は言い切った。

 「大変な部分はあるけど、そうなったらそうなったでやりたい」

 逆境にも、心は折れない。開幕戦登板を最優先としたい考えを、記者を通して示す格好となった。

 日本野球機構は、4月10日以降の開幕を想定した日程再編を進めることで合意した。当初なら今日のソフトバンク戦が開幕前最後の登板だっただけに、調整期間は最短でも3週間延長されたことになる。「握りを変えて、フォークの精度がこの1週間で上がっている。開幕が延びたこともあってブルペンで試せた。チャレンジできるという意味では、ポジティブないい期間にするしかない」。縫い目に指をかけない握りを試投したことで課題だった落ち球が改善するなど、延期期間を有効活用している。

 「やるべきことは変わらない。明日は明日のやるべきことがある」。非常事態に惑わされず最善を尽くす姿勢は、開幕投手にふさわしい。(河合 洋介)

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