広島・薮田、2回好投でローテ望み 開幕延期で「アピールするチャンスが増えた」

[ 2020年3月11日 05:30 ]

オープン戦   広島2―ヤクルト(2回裏終了 降雨ノーゲーム) ( 2020年3月10日    神宮 )

力投する薮田(撮影・西海健太郎)
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 広島・薮田和樹投手(27)が10日、降雨ノーゲームになったヤクルト戦で逆転開幕ローテーション入りへの望みをつないだ。今春オープン戦では初先発で、テンポよく2回まで1安打無失点に抑えた。新型コロナウイルス感染拡大を受けて20日に予定されていたプロ野球の開幕延期が決まったばかり。九里、床田ら先発候補の調子が上がらないだけに佐々岡監督ら首脳陣には明るい材料だ。

 置かれた立場を考えれば、開幕延期なんて関係ない。生き残るためにはアピールし続けるしかない…と、腹をくくって臨んだマウンド。薮田が初先発のオープン戦で上々の結果を残し、逆転開幕ローテーション入りへの可能性をつないだ。

 「雨仕様というか、雨の時の入り方を試せたので良かった。変化球も良かったけど、もっと精度を上げてムダ球を減らしてたい」

 試合開始後から雨が降り始める悪コンディション。女房役の石原慶の求めに応じて緩急を操り、凡打の山を築いた。初回は坂口、山田、青木をわずか9球で料理。雨脚が強まった2回1死二塁のピンチでも雄平、エスコバーを無難に斬った。

 17年に15勝(3敗)の実績を持つ右腕も、制球難が解消されず、昨季は5年目で初の未勝利に終わる屈辱。1軍に参加した今春は沖縄キャンプ打ち上げと同時に2軍に合流し、3日の教育リーグ・ソフトバンク戦を4回1失点に抑えたことでお呼びがかかった。

 首脳陣の評価は上々だ。沢崎投手コーチは「もう少し見てみたかったけど、ボールに強さがあったし、テンポも良かった」。佐々岡監督も「テンポよく、ストライク先行でいろんな球種を投げられていた。(この内容を)続ければ、チャンスが来る」とうなずいた。

 5日の教育リーグ・ソフトバンク戦で7四球と乱れた九里が2軍に降格し、床田も7日の同・オリックス戦で4回7失点の乱調。今回の開幕延期は、固まらない先発陣を立て直すにはいい猶予期間かもしれない。薮田も前向きに受け止める。
 「自分の場合は(開幕)直前で調子が上がったので、アピールするチャンスが増えたと思う。シーズンを通してローテーションで投げ、(もう一度)信頼を獲得したい」

 実績のある27歳が先発で計算できれば、それだけでも戦力は厚みを増す。いざ有言実行へ。自身の力を信じて突っ走るだけだ。(江尾 卓也)

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