新井貴浩氏 歓声のない「無観客オープン戦」改めて感じたファンのありがたみ

[ 2020年3月3日 08:00 ]

新井貴浩氏
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 【新井さんが行く!!】オープン戦で球場にファンが一人もいない映像を見て、9年前の春を思い出した。11年3月の東日本大震災。10試合以上のオープン戦が無観客での練習試合になった。歓声や応援が一切ない中で投げて、打って、走る。聞こえるのは、ミット音や打球音、審判の声だけ。野球をやっていて、あんなに気持ちの抑揚がなかったことは初めてだった。

 当時を知る現役選手は少ない。初めて無観客試合を経験した選手が多く、改めてファンの大切さを感じていると思う。自分たちの存在意義が、身に染みて分かったんじゃないかな。

 外から見たら、華やかな世界。注目され、もてはやされることも多いから、どうしても自分中心に考えて、勘違いしがちになる。プロ野球は観てくれる人、応援してくれる人がいて初めて成り立つ。それはどんなスター選手だって同じだ。

 当たり前と思っていたことが当たり前じゃない。たまに腹の立つこともあるヤジだって、まったく聞こえないと、やっぱり寂しい。ありがたみを知る機会にしてほしいし、もう既に感じていると思う。

 球団運営に携わる人たちにとっては難しい判断だったと思う。良かったなと思ったのは、比較的早い段階で12球団が一致して方向性を示せたことだ。やれることは何でもやろうという考えだと思う。いまもNPBが中心になってさまざまな知恵を出し合っているはずだ。やり過ぎ…という声もあるかもしれないけど、「空振り」はしても「見逃し」はやめようということだと思う。無事に開幕を迎えられることを願うだけだ。

 開幕戦は、どの球場にも何万人ものファンが駆けつけてくれると思う。無観客から大観衆へ――。選手に戸惑いなんてない。プロ野球選手としての本能があるから。むしろスイッチが入って、気持ちが一気に高まる。待ちわびたように、きっと素晴らしいプレーをたくさん見せてくれるはずだ。

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