ソフトB・城島氏 初バッピで精密148球「肩でメシ食っていたんで」

[ 2020年2月8日 05:30 ]

砂川(右)の打撃投手を務める城島会長付特別アドバイザー(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの城島健司球団会長付特別アドバイザー(43)が宮崎キャンプ第2クール2日目の7日、現職就任後に初めてとなる打撃投手を務めた。

 2日連続でアーリーワークに登場。助言を交えつつ栗原陵矢捕手(23)、砂川リチャード内野手(20)、九鬼隆平捕手(21)に計148球を投げた。現役時代に“ジョー・バズーカ”と言われた強肩の片りんを披露した。

 午前9時。城島氏は「62歳のおじいさんには投げさせられない」と立花打撃コーチをいじりつつ、ジャンパーを脱いだ。マウンドの手前約2メートルの距離から栗原に直球62球を投げ、見逃された球は6球。抜群の切れと制球力は12年の現役引退後、初めての打撃投手とは思えない内容だった。

 「いやいや、バッピ(打撃投手)ですよ。知らないかもしれませんが、肩でメシを食っていたんで。ボール球は何球か投げたけど、手で投げないんですよ。下半身から腕に伝導し、どう楽に投げるか。これができなかったら役職外されますわ」

 豪快に笑いながらも、投げることに関しての知見はさすが。栗原、砂川、九鬼の3人に27分間で計148球。見逃された球はわずか12球。投球の合間には助言も織り交ぜた。

 栗原には「ここが(好打球になる)ツボだね。でも外角だとスイングが弱くなるね」と的確にコースを投げ分けた。砂川には「急いで打っても意味はない。意味のある練習しようや」。九鬼には「自分のペースで打って」と告げ、さらなる発奮を促した。

 現役時代の強肩を表現した「ジョー・バズーカ」とまではいかないまでも、球質には現役捕手も驚いた。3人の中で最も遠い位置から投げられた直球を振り続けた栗原は、「回転がきれいで速かった。手元でビュンと伸びるし、差し込まれてしまった。これが名捕手の腕のスナップか、と勉強にもなった」とうなずいた。

 現役時代にバッテリーを組んだ工藤監督も「いいバッピだと思うし、いい練習ができます」と太鼓判を押して感謝。ただ、城島氏は話題を笑いに替え続けた。プロの姿勢を背中で示す狙いがある。

 「バッピでネタは提供したし、一生懸命ふざけています。見られるのがプロ野球選手ですから。明日も(登板が)あれば出てきますが、もっと選手を取り上げてやってくださいよ」。洞察、気遣いにオチまでつけたジョー。フル稼働で古巣を盛り上げ続ける。

 ▼立花義家打撃コーチ 一瞬にして栗原の苦手コースを見抜いていたね。制球もテンポもいいから助かる。即戦力の大型ルーキーが入ってきたよ。ジョーが現役時代、自分が打撃投手で投げていたけど相当、打ち込まれたのを思い出したよ。
 ▼王貞治球団会長 (城島アドバイザーの現状を聞かれ)精力的に動いてくれている。慣れてきて、球を放るくらいだから(選手との)距離も近付けられているよな。明日は肩が張っていると思うよ。

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2020年2月8日のニュース