【20年版球界新士録(4)】ソフトB4位・小林 オンリー“ワン”高卒支配下 ナンバー“ワン”目指す

[ 2020年1月18日 07:30 ]

期待を胸に入寮する小林(撮影・岡田 丈靖)
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 「犬」で「鷹」と運命的に結ばれたと信じる道産子がいる。小林は入寮時に、親会社のCMでおなじみの北海道犬「カイくん」のようなぬいぐるみを持参して、枕元に置いた。

 「1、2歳の時からずっと一緒ですし、いい運命を感じます。お見せするのはNGですが、小さい頃からのお守り犬です」。呼び名はない。「カイくん」は白毛で、ぬいぐるみは肌毛と多少の違いはあるが、同じ日本犬。縁を感じている。

 ソフトバンクでは唯一、高卒の支配下選手として入団。東海大札幌では投手で最速151キロを誇り、高校日本代表候補にもなった。右の強打者で高校通算37本塁打を放ち、強肩強打の野手として4位指名された。プロでは「二刀流」に区切りをつけ、常勝軍団で三塁手として勝負する。

 新人合同自主トレ前には寒空の下、筑後の2軍施設で半袖、短パンで練習していた。「マイナス6度の札幌から来ましたので。福岡はもう春。いや、夏前です」。元気いっぱいの18歳はウエートトレーニング室で懸垂中の千賀に遭遇し「体つきが人じゃないと思ったし、追いつきたい」と驚き、憧れを抱いた。

 「同期とは年齢差はありますが、プロに年は関係ない。1年目から勝負に勝ちたい」。寮の隣室は横浜高から17年ドラフト3位で入団した同じ右打者の増田珠(しゅう)。小林の名前は珠維(じゅい)だ。「珠」つながりで縁を感じており、「高校から結果を残しているし、打撃が凄い。早く追いつけるように」と切磋琢磨(せっさたくま)する。犬と添い寝し続ける男は、わんぱくでワンダフルなスケールを感じさせる。 (井上 満夫)

 ◇小林 珠維(こばやし・じゅい)2001年(平13)5月7日生まれ、北海道帯広市出身の18歳。小学1年から野球を始め、東海大札幌では主に投手兼外野手としてプレーし、一塁も守った。3年夏は南北海道大会準決勝で敗退。ソフトバンクでは小3以来の三塁手に挑む。遠投120メートルの強肩で、50メートルも5秒9の俊足。1メートル83、86キロ。右投げ右打ち。

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