ソフトB・甲斐野 2年目の飛躍に“チュー目”!剛球右腕が誓った“進化”

[ 2020年1月3日 05:30 ]

<ソフトバンク甲斐野インタビュー>今季の目標に「一軍定着」を挙げた“年男”の甲斐野はねずみの耳をつけ笑顔を見せる(撮影・岡田 丈靖)
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 ねずみ年生まれの年男が、2年目の飛躍を誓った。ソフトバンクの甲斐野央投手(24)は昨年、ルーキーイヤーながらチーム最多の65試合に登板するなど勝利の方程式を担い、3年連続日本一に貢献。最速158キロの真っすぐをうならせてドラフト1位指名の期待に応えた右腕が、怒濤(どとう)のシーズンを振り返った。

 失敗が糧になった。2019年シーズンで印象的な場面に挙げたのは、初セーブのチャンスで力が発揮できなかった試合だった。

 6月18日の交流戦ヤクルト戦(神宮)。6―3の9回、甲斐野は9回のマウンドに上がったが、2死二、三塁から2者連続四球の押し出し四球。嘉弥真にリレーし、嘉弥真がプロ初セーブを挙げた。

 「あの経験がなければ、後半戦もまた違っていたというか、翌日の初セーブもなかった。あの経験は自分のためにプラスになった場面」

 シーズン終了後、あらためてターンニングポイントとなったことを実感している。

 「技術がないともちろん抑えられないけど、あの場面は気持ちのコントロールができていなかった。ああいう緊張したところでいかに自分の力を出せるかというは凄く大事だなと。まだ、下手くそだけど、あの経験があって、うまくコントロールできるようになってきたのかなと思う」

 翌日にリベンジの機会を与えられたことも大きい。

 「あの緊張感の中、次の日にセーブに成功して自信になった。CSや日本シリーズの短期決戦で同じくらい緊迫した場面でも、うまく自分の力を出せた。そう思うとやっぱり、あの場面は良い経験だったなと」

 来季へ向けての投球技術にも言及した。球種を増やすより、使いこなせなかった持ち球に磨きをかけるつもりだという。

 「緩急はつけたい。カーブは今年2球くらいしか投げてなくて、高谷さん、甲斐さんに“使えない”と言われていた。オフにキャッチボールなどでマスターしたい。そうすれば真っすぐの質も上がってくる」

 65試合を投げながら、体力的な面では「強くない」と言い切る。課題の一つという自覚がある。

 「森さんは4連投、5連投していて。僕にはできないと思った。今年、森さんを近くで見て、僕も投げられるようになりたいと思った」

 年男の今年、24歳になる。夢だったプロ野球選手になり、日本一も経験した。プロ2年目。新年の誓いを話してもらった。

 「プロになるだけではダメ。活躍しないと意味がない。活躍するのも一握り。その一握りに入れるように。言い方悪いけど、たかが1年しかやってない。それを何年も続けられる選手がホークスにはたくさんいる。そういった選手に僕も加わりたいし、近づけるようにしたい」

 お手本には事欠かないソフトバンク。剛球右腕の進化が楽しみだ。

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