元広島・前田智徳さん アマ資格回復研修参加の理由 待ち望む次男をサポートをする日

[ 2019年12月18日 09:00 ]

前田智徳さん
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 元マリナーズのイチローさんが出席したことで、大きな話題となった今年の「学生野球資格回復制度」の研修会。日程は3日間。スケジュールはぎっしりで、アマ球界関係者は「本心で(資格を回復したいと)思っていないと、10何時間もの講義は本当に大変。なかなか受けられない」と感心していた。

 元広島の前田智徳さんも受講者の一人だった。15日に行われた初日のプロ研修会。全ての講義後に小テストがあったが、前田さんは最後の一人になるまで残って、時間をかけて一生懸命に用紙に向き合っていた。

 受講のきっかけは「どら息子が高校球児なんで。気兼ねなくグラウンドに足を運べれば、と思った」。次男の晃宏さんは慶応高校野球部の1年生。投手だという。これまでも前田さんは練習試合などに足を運んでいたというが「やっぱり手助けというか、サポートをしてあげたい。資格をいただければ不安がなくなるし、可能性が広がる」と話した。

 前田さんといえば、広島一筋24年間で通算2119安打をマーク。晃宏さんは投手なだけに、報道陣からは「(慶応野球部の)野手には指導しないのか?」と聞かれた。前田さんは「いやあ…」と困ったような表情だったが、仮に現場を訪れた際、教えを請われればきっとアドバイスをするだろう。そうやってプロの高い技術が学生野球に還元されれば、資格回復制度はより意味のあるものになる。

 偶然にもイチローさんと同じ研修会を受講。前田さんはイチローさんが「天才」として憧れ続けていた存在だ。

 「文武両道、エンジョイベースボールをやってもらえれば」。講義後、前田さんは晃宏さんにそうエールを送った。早ければ来年2月8日から指導がOKとなる。パパの顔になった前田さんは、サポートをする日が待ち切れない様子だった。(鈴木 勝巳)

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2019年12月18日のニュース