阪神 ドラ2井上 歴史に名を刻む 夢は「令和のバックスクリーン伝説」

[ 2019年12月2日 05:30 ]

甲子園球場を見学し、記念撮影をおこなう(前列左から)西純矢、及川、遠藤、藤田、(後列左から)井上、小川、小野寺、奥山(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神が今秋ドラフト会議で指名した8選手が1日、甲子園球場などの球団施設を見学し体力測定も行った。ドラフト2位指名の履正社・井上広大外野手(18)は、甲子園歴史館でリーグ優勝&日本一に輝いた1985年の「バックスクリーン3連発」の映像に刺激を受け「令和のバックスクリーン伝説」を打ち立てることを夢見た。

 いずれは、ここに打ち込んでみせる――。夏の甲子園大会で全国制覇を成し遂げた8月22日から101日。戻ってきた聖地で、中堅後方にあるスコアボード下の領域に初めて足を踏み入れた井上には、新たな野望がすでに存在していた。

 「甲子園の夏の決勝でもバックスクリーン(左)にホームランを打っているので、プロでも甲子園のバックスクリーンにホームランを打ちたいなという気持ちはあります」

 星稜との決勝では相手エース奥川(ヤクルト1位指名)から3回に一時逆転となる3ランを中堅左に叩き込んだ。この日の施設見学では甲子園歴史館も訪問。1985年に記録されたバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発の映像に見入り、自身による再現へ意欲はますます高まった。

 「3者連続本塁打のところが印象に残った。自分も目指してやりたい。一番最後のバッターだったらいいな」 一人では成し遂げられないが「最後の打者」と想像するあたりが何ともにくらしい。3者連続本塁打を記録した85年、2003年はともにリーグ優勝している。前の2人に続く3人目となれば、重圧がかかり、打つ確率はますます低くなるが、そこに挑戦したいと思うところに精神的な強さを感じさせた。

 歴史館では、自身が夏の甲子園大会で使用したバットも飾られていることから、立ち止まって歓喜を一時の間、思い出すシーンもあった。「自分のバットも飾れていたので、阪神でも活躍して(新たに)歴史館で飾られたらと思う」。アーチストとして、プロでも勝利に貢献する本塁打を放つことを使命とした。

 11月中旬に右足首を捻挫する不慮の事故に見舞われたが、現在は支障なく日常生活を過ごせるまでに回復。ただ「まだランニングとかはできなない」と話し、体力測定では握力と肩筋力を測るだけにとどめた。

 「土台づくりをしっかりして、一日でも早く試合に出られるように。見学して、思っていた以上に伝統がある球団と感じた。自分もその一つの歴史に残れるような選手になりたい」

 猛虎の歴史と伝統に触れた若き大砲候補。「令和のバックスクリーン3連発」も近い将来に必ず実現させる。
(長谷川 凡記)

続きを表示

この記事のフォト

2019年12月2日のニュース