ワールドシリーズ、パCSファイナルで実感 投手交代の難しさと短期決戦の怖さ

[ 2019年11月1日 08:30 ]

<アストロズ・ナショナルズ>アストロズの先発・グリンキー。7回途中で降板、その後救援投手が打たれ逆転された(AP)
Photo By AP

 投手交代の難しさを改めて感じる試合だった。10月30日(日本時間同31日)に行われたメジャーリーグのワールドシリーズ(WS)第7戦。7回の投手交代が勝負の分かれ目になった。

 アストロズ先発のグリンキーは6回まで1安打無失点。7回1死からナショナルズ・レンドンにソロを浴びて1点差に迫られて、4番のソトに四球を与えたところで投手交代を告げられた。救援した2番手のハリスが、ケンドリックに逆転右越え2ランを被弾。一気に流れを持って行かれ2―6でナ軍が球団史上初めてWSを制覇した。グリンキーはまだ球数も80球。レンドンに一発を浴びたものの、球威、制球ともに余力はあったように見受けられた。あくまで結果論ではあるが、続投だったらどうなっていたのだろうか…。と、ア軍側には悔いが残る継投だったのではないだろうか。

 同じ短期決戦。パ・リーグのCSで、継投の難しさを感じる場面があった。ファイナルS、西武―ソフトバンクの第1戦。西武1点リードの8回は大きな話題になった。西武は3番手で平井が登板。1死から連打を浴びて一、三塁となったところで平良にスイッチした。平良は松田を三振に仕留めたが、内川の代打・長谷川の左前適時打とパスボールで逆転を許した。リーグ新記録となるシーズン81試合登板を果たした平井を見切って、2年目右腕に賭けた継投。結果は裏目になったが、記者にとっては西武が昨年のCSから初めて短期決戦モードの継投策を取ったという印象だった。

 ただ、戦っていた両チームにとっては、9回の西武の投手起用が、この短期決戦の流れを変えたという印象があったようだ。4―5の1点差。9回の攻撃が1番から始まる西武にとっては、表の守りを無失点で終えればまだ、勝利への可能性は十分にあった。その9回、マウンドに上がったのは榎田だった。今季のレギュラーシーズンでは13試合すべてが先発登板。移籍した昨年を含めても36試合で救援登板は1試合だけの左腕だった。ソフトバンク関係者に聞けば「みんな“なんで?”とベンチで言っていた。あれで勝ったと思った」という。逆に西武関係者も「1点差だし、なんでいつもと違うピッチャーの使い方をするんだろう」というムードになったという。3点を奪われて4―8となった。

 リーグ優勝の西武は1勝のアドバンテージがある。負けても1勝1敗だが、昨年も同じソフトバンクにファイナルSで敗れていた。それだけにこの「1敗」の影響は計り知れなかった。結局、西武がリードを奪えたのは第1戦の4イニングのみで、4連敗。西武ベンチが9回に先発投手を使った継投が生み出した両軍ベンチの心の動き。継投の難しさと、短期決戦の怖さを感じた1イニングだった。(記者コラム・春川英樹)

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2019年11月1日のニュース