【東尾修 日本シリーズ大分析3】「眠っていた選手」に明暗 試合決めたデスパのコンパクト打法

[ 2019年10月23日 08:40 ]

SMBC日本シリーズ2019第3戦   ソフトバンク6-2巨人 ( 2019年10月22日    東京D )

3回2死一、二塁、勝ち越し適時打を放つデスパイネ(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 短期決戦の日本シリーズ。ポイントとなるのが眠った選手だ。音なしだった選手が目覚めるか、そのまま眠ったままになるか。第3戦の勝負を分ける一因となったのが、ソフトバンク・デスパイネと巨人の主軸だった。

 デスパイネはここまで2試合無安打。この日も初回は空振り三振に倒れていた。迎えた1―1の3回2死一、二塁。巨人・高橋のスライダーに詰まりながら中前へ運んだ。シリーズ初安打が勝ち越し打。先制されながらすぐにグラシアルの一発で追いつき、勝ち越した。連勝で敵地に乗り込んだ第3戦。本拠地に戻って優位に試合を進めたい巨人の思惑に反し、チームを勢いに乗せる一打だった。

 見逃せないのは4回の打席だ。3回に再び追いつかれたが、2点を勝ち越して2死満塁の場面。全く知らない新人・戸郷に対し、デスパイネは強振せず、コンパクトな打撃。対戦経験のある投手なら、こういう打撃はしない。でも、こうした切り替えた打撃ができる技術を持っている打者だ。ミートに徹した軽打で完璧に左前へ運んだ。この2点で試合はほぼ決まった。

続きを表示

2019年10月23日のニュース