再起の秋へ 阪神 藤浪 7年目で初の未勝利が決定的に

[ 2019年9月26日 05:30 ]

ウエスタンリーグの試合に登板した藤浪(撮影・後藤 大輝)
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 阪神・藤浪晋太郎投手(25)がプロ7年目で初めて未勝利のままシーズンを終えることが決定的になった。25日はウエスタン・リーグのソフトバンク戦に先発して5回4失点。レギュラーシーズン残り3試合での1軍復帰は見込めず、悔しい“終戦”を来季への糧にした。10月7日から宮崎で始まるフェニックス・リーグにも参加する予定で、再起の秋を見据えた。

 5回92球で4失点、1被弾を含む5安打を浴び、3四球と1死球を与え、5三振を奪った。最速は153キロ。藤浪が今季の“最終登板”を終えた。

 「数字が良くないので良かったとは言いがたいですけど。でも、全体的にいい感覚で投げられた。四死球も、勝負に行った結果という感じでした」

 1軍のレギュラーシーズンは残り3試合。30日の最終戦まで中4日の間隔しかない上、クライマックスシリーズ(CS)進出を争う中で復調途上の藤浪に登板機会を割く余裕はない。CS進出の場合は当然現在の1軍投手陣が優先され、逆にCS進出が消滅して試合が残っていてもメッセンジャーら引退登板組が控える。事実上、藤浪にとっての2019年は終わった。他の誰でもない本人が一番分かっていた。

 「初めて1試合しか投げず、1勝もできなかった。結果としてキャリア最低の年になりました。自分と向き合う年という位置付けですかね。(来年は)今年があったから、来年以降しっかり投げられたと言えるような、そういう一年にしていきたいなと思います」

 初めて開幕1軍を外れ、唯一の1軍登板だった8月1日の中日戦も4回1/31失点、8四死球で終わった。出場選手登録も、この1日だけで、ほとんどの時間を2軍で過ごした。

 今後も他の若手と同様に10月7日から宮崎で始まるフェニックス・リーグに参加予定。「条件を付けさせようと思ってる。“この回は全部真っすぐ投げろ”とかさ」。平田2軍監督は実戦の中で特定の球種の精度を高める方法を検討するなど再起へ背中を押す方針を強調した。そして、秋季キャンプ。来季への準備はもう始まった。

 高卒入団から3年連続2桁勝利を挙げ、本来なら猛虎のエースを担っているはずだった。16年からは一転して3年連続1桁勝利に甘んじ、7年目の今季はついに「0」。もうこれ以上落ちることはない。「ここ数試合、感覚的にいいので練習試合だったり、フェニックスだったりで継続していきたい」。藤浪は悔しい日々を振り払うように前だけを向いた。(巻木 周平)

 ◆藤浪の今季の歩み
 ▽3月12日 中日とのオープン戦に先発。4回1失点で勝利投手も4四死球、2暴投。試合後に矢野監督が無期限ファーム調整を明かす。
 ▽同18日 実戦登板を当面封印し、フォーム固めに専念する意向を示す。「(中日戦で)これでは1軍では無理だと思った」。志願の2軍降格だったことも明かす。
 ▽5月18日 ウエスタン・広島戦で67日ぶりの実戦登板。先発で1回を3者凡退。
 ▽7月26日 ウエスタン・中日戦で先発。大阪桐蔭の後輩にあたる根尾から2三振を奪うなど、予定の6回を投げて6安打2失点も無四球。
 ▽8月1日 中日戦で1軍初登板。4回1/3を6四球、2死球で102球を要し1失点。翌2日に登録抹消。

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