広島・堂林 5年ぶりサヨナラ打!7日誕生次女に届ける殊勲打 2位DeNAに0差肉薄

[ 2019年9月13日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3-2中日 ( 2019年9月12日    マツダ )

9回1死一、二塁、堂林は左前にサヨナラ打を放ち長野(左)に飛びついて喜ぶ (撮影・奥 調)
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 広島・堂林翔太内野手(28)が12日の中日戦で同点の9回に5年ぶり3度目のサヨナラ打を放った。7日に生まれた第3子の次女に届ける劇打。2003年の球団最多に並ぶ今季11度目のサヨナラ勝利を決め、2位・DeNAに勝率2毛差へ再接近した。

 主役の肌が真っ黒に日焼けしていたのは、長く苦しんだ証だった。「こういうときが来ると思って頑張って来られた」。久々のお立ち台の景色を眺めながら、堂林は悩み続けた今季を思った。

 ドラマは同点の9回に訪れる。鈴木の右前打と野間の犠打で1死二塁となると、長野の申告敬遠を見届けた。「すごく集中していたし、火が付いた」。1ボールからの藤嶋の直球を豪快に空振り。「“大空振り”。ハッと冷静になれた」と、バットを短く余らせていることを思い出す。3球目のフォークをコンパクトに振り抜いた。左翼・福田が飛びつくも届かずに、14年4月2日以来となる5年ぶり3度目のサヨナラ打。今季初のお立ち台後には、「忘れていたものを思い出したような感じ」と余韻に浸った。

 7日に第3子となる次女が生まれた。公表した11日には、4月6日の阪神戦以来となる今季2安打目が生まれ、翌12日にこの一打。「まだ何言っているか分からないと思うけど、いい報告ができる」と言う顔は父親に戻っていた。

 今季に懸けていた。「もう求めるのは長打ではないです。“これで行く”と決めても悪くなったときに続けられなかった」。しかし、今季は5月16日に出場選手登録を抹消されると、コンディション不良も重なり、約4カ月の2軍暮らしを強いられた。それでも、「いいときも悪いときも練習を続けてきた。そこだけは変えなかった」と信念はぶれていなかった。

 球場には背番号7のユニホームを掲げて号泣するファンもいた。緒方監督までもが「よく打ってくれたね。こっちもうれしい」と頬が緩んだ。2003年の球団最多に並ぶ今季11度目のサヨナラ勝ちで、2位・DeNAとゲーム差なしに再接近。残り8試合。プリンスが輝く時間はまだ残されている。(河合 洋介)

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2019年9月13日のニュース