履正社 左腕エース清水、頂点つかんだ意識高くハイレベルな鍛錬

[ 2019年9月2日 09:00 ]

履正社の清水
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 令和最初の甲子園大会で、スポニチ高校野球取材班が印象に残った選手やこぼれ話をリレー形式で紹介するコラムも最終回。令和の初代王者となった履正社の左腕エース清水大成投手(3年)をクローズアップしました。

 至福の時間だった。ともに涙に暮れた甲子園での決勝戦。セレモニーが終わった後、履正社・清水は星稜・奥川と2人でマウンドを独占した。それぞれの思いがこもった甲子園の土を持ち帰る。

 「ナイスピッチング。優勝おめでとう」

 「ありがとう」

 2人のエースは固い握手を交わして、それぞれのベンチに戻った。履正社の攻撃力が、奥川を攻略し、春選抜17三振零封負けの雪辱を果たした。今年の決勝はこんな構図となったが、星稜打線に勝負を挑んだ清水の力投なしに、履正社の初優勝はなかった。

 立ち上がりから全開だった。初回2者連続三振で3者凡退。2回に先制を許すが、2回2死二塁、3回2死二塁、4回2死一、二塁と毎回のように訪れるピンチに清水は耐え抜いた。6回1死一、二塁では6番福本を投ゴロ併殺。流れを失うことはなかった。

 端正なルックスでファンの注目を集め、8時プレーボールを前に「3時に起きて野球は初めて。眠たいっす」とあくびを噛み殺す素顔も見せる清水だが、野球に関しては研究を怠らない。目指しているのは「ここという場面で1球で仕留める投手」。理想を求め、腕の振り、球の出所、軌道、回転軸などを細かくチェックし、芯を外すピッチングを追求してきた。

 岡田龍生監督の許可も得て、社会人の練習に志願参加もした。JR東日本、JR東海の投手陣の調整方法の吸収にも務めた。「勉強することが多かった。社会人の選手は意識も高いし、1人1人が自覚を持ってやっている」。勝負球のスライダー、カットボールも武者修行の中で磨きをかけた。

 履正社の練習では実戦形式のシート打撃などで、清水がマウンドに上がると4番井上が相手を務めるのが定番だった。「負けず嫌いなので、練習でも真剣勝負。いい当たりをしたら、その球でまた攻めてくる」と奥川から決勝戦で3ランを放った井上が語っていた。意識の高さとハイレベルでの練習。決勝のマウンドはその集大成だった。

 大会優勝チームのエースとして、また奥川の512球を上回る594球の最多投球をした投手として、清水は名前を残した。次のステージは大学野球のメッカ神宮だという。高いレベルを求める左腕の成長が楽しみだ。=この項終わり=

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