広島・会沢2年連続10号 球団捕手では初「歴史に名前を残せて良かった」

[ 2019年9月1日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4―2DeNA ( 2019年8月31日    マツダ )

3回2死一塁、会沢は左越えに2点本塁打を放つ (撮影・奥 調)
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  広島は31日のDeNA戦を4―2で逃げ切り、連敗を3で止めた。会沢翼捕手(31)の一発が効いた。1―0の3回に左翼へ、球団の歴代捕手では初の2年連続2桁10号2ラン。7回途中まで2失点の九里が7勝目を飾り、8回途中から2イニングを抑えたフランスアが8個目のセーブを挙げた。2位・DeNAとは2・5ゲーム差に縮まった。

 放物線を描いた打球は、大歓声にも後押しされて左翼3階コンコースに吸い込まれた。松山の右前適時打で先制した3回、なおも2死一塁で飛び出した待望久しい一発。殊勲の会沢は汗を拭いながら白い歯をのぞかせた。

 「積極的にいこうと思っていた。松山さんがいい流れをつくってくれたので思い切っていった。いい追加点になったと思います」

 京山の初球、真ん中低めの113キロカーブをドンピシャのタイミングで振り抜いた。7月19日の巨人戦以来、実に37試合126打席ぶりの10号2ラン。ダイヤモンドを1周すると、両手をポンと叩いて満足感に浸った。

 熟練の産物だった。相手バッテリーの特徴や捕手目線で「2~3通り考える」という配球。その打席については「まあまあ」とはぐらかしたが、京山―戸柱のバッテリーはそれまで4人の打者にカーブから入っており、初球に緩い変化球が来る予感はあったはずだ。

 「反応で打てることもありますが、考えを整理してこそ体はスムーズに動くので」

 豊富な経験がもたらす頭と体の調和。その強打をもってすればサク越えは必然だった。広島捕手では初となる2年連続の2桁本塁打。限定ユニホームでは昨夏も一発を放っており、「打てて良かった。球団の歴史に名前を残せたことも良かった」と喜んだ。

 これでチームの連敗は3でストップ。2位・DeNAとは2・5ゲーム差に縮まった。残り18試合。リーグ4連覇は現実的に厳しくても、勝負はゲタを履くまでわからない。いや、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを本拠地で開催できる2位は、最低限確保しておきたい。

 「一戦一戦やるだけなんでね。先を見てもダメだし見られない。明日から大事な9月。気持ち新たに(最後まで)頑張りたい」

 チームの底力が試される9月。選手会長は力強く前を向いた。(江尾 卓也)

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2019年9月1日のニュース