阪神・能見 今季初勝利で虎3人目の40歳超え白星「ゼロで抑えられて良かった」

[ 2019年8月15日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-3中日 ( 2019年8月14日    ナゴヤD )

2番手で力投する能見(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 力投したベテランにご褒美が待っていた。2番手で登板した能見が5回の1イニングを零封し、昨年10月10日のDeNA戦以来の勝利。球団史上3人目となる満40歳以上での白星を手にした。

 「結果的にゼロで抑えられて良かった。(早い段階での起用は)全然(問題ない)」

 不慣れな場面ではあったはずだ。打線が逆転に成功した直後でリードした展開もまだ5回。昨年、勝ちパターンを担った左腕には“早すぎる”登板だった。それでも、終盤へ向けて試合の流れを再び作っていく重要なマウンド。託せるのも、この男しかいなかった。

 上位打線と対峙し、ビシエドに二塁打を浴びたものの、最後は阿部を空振り三振。結果的に無失点リレーだったリリーフの先陣とし流れを引き寄せた。

 40歳は「個」を捨てた。昨季は開幕ローテーション入りから不振で2軍落ちし、シーズン途中から中継ぎに転向した。「(プロ人生で)個人のことは、もう終わってるからね。これからはチームのことを考えて。自分には経験がある」。開幕前にはっきりと言った。

 「1、2点差のビハインド、走者背負ってとか、しんどいところを自分がやるべきなのかなと思ってる。そういうところで自分が踏ん張ってチームが勝てたらでかいから」

 再昇格後の2試合は連投で劣勢の展開で腕を振った。献身の思いだけを白球に乗せ、勝利への道をこじ開ける。40歳2カ月での勝利には少しだけ頬を緩ませ、うなずいた。「個」を捨てた男が何よりうれしかったのは、他にある。(遠藤 礼)

 ○…40歳2カ月の能見(神)が今季初勝利。満40歳以上で勝利を挙げた阪神の投手は若林忠志(32勝)、下柳剛(21勝)に次いで3人目。

続きを表示

2019年8月15日のニュース