阪神 また新人に初勝利献上…今季4人目 梅津打てず矢野監督「押し込まれた」

[ 2019年8月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-5中日 ( 2019年8月12日    ナゴヤD )

肩を落として球場をあとにする矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 真夏の夜の怪だ……。阪神は12日の中日戦に逆転負けし連勝は2でストップ。プロ初登板先発の中日ドラフト2位・梅津から1点しか奪えず初勝利を献上した。今季初登板先発した新人に対して4人目の勝ち星をプレゼントする“お人よしぶり”で、連日の逆転劇の勢いを生かせずナゴヤドームでは5連敗となった。

 2夜連続の劇的な逆転勝利の勢いをどこかに置き忘れてしまったのだろうか。4点を追う9回もわずか5球で3者凡退。チームとしては今季3番目に短い2時間30分での試合終了。試合時間が物語る淡泊な攻撃に、矢野監督も帽子を取って会見場に姿を現した。

 「ルーキーの初登板でしょ?そういうピッチャーを崩せないから難しいっていうわけにはいかない。やっぱり流れの中でバッテリーが点を取られて流れが向こうに持っていかれているというのもあるとは思うんだけど」

 屈辱の敗戦だった。初回に先制点を奪ったまでは良かったが、直後の守りでガルシアが逆転を許すと、攻撃陣のリズムも崩れた。4回1死からマルテがチーム3本目となる安打を放ったが、ソラーテは2球目の甘い速球を打ち損じて一ゴロ併殺。5回も1死から高山が左前打したが後続が凡退した。6回で4安打しか打てず7三振を奪われる予想外の展開に、浜中打撃コーチも険しい表情を浮かべ完敗を認めるしかなかった。

 「2軍で陽川、木浪なんかが(梅津と)対戦していたので情報を聞きながら(対策を練った)。真っすぐが強くてフォークが良いというのは聞いていたけど、真っすぐに押し込まれた。逆球はあったけど、今日は力負け」

 継投に入られた7回以降は一人の走者も出せず。終わってみれば2回以降は二塁さえ踏めなかった。3試合連続で4番を託されたマルテも相手ルーキーに脱帽した。

 「打ち取られてしまったから言えないけど、良いピッチングをされた。自分たちの攻撃ができなかった」

 これで初先発対決した新人5投手のうち4人に勝利をプレゼントする始末で“初モノ”への苦手意識を改めて露呈した。指揮官は「うちはそういうふうに(初モノに弱いと)言われるようなことも多いとは思うんだけど…。なくしていくようにしていきます」と言葉を絞り出した。

 DeNA、広島がともに敗れ逆転でのCS進出へゲーム差を縮めておきたいところで痛恨の敗戦。残り35試合。立ち止まることは許されない。(山本 浩之)

 ≪ナゴヤDでは5連敗≫阪神は初対戦の新人・梅津(中)にプロ初勝利を献上。今季先発で初対戦した新人投手5人のうち4人に勝利を許している。唯一白星を許さなかった上茶谷(D)も6回3失点、4点リードの場面で勝利投手の権利を持っての降板で攻略はしていない。ナゴヤドームでは5連敗となり今季2勝6敗。セ球団の本拠地別では最も負け越しており、打率も最低の・195で1試合あたり2得点の貧打に苦しんでいる。

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2019年8月13日のニュース