「AGGRESSIVE」東海大相模、足で近江・林攻略 3元号Vへ原貢監督の教え令和で本領

[ 2019年8月12日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第6日2回戦   東海大相模6―1近江 ( 2019年8月11日    甲子園 )

<近江・東海大相模>6回無死一塁、捕邪飛でタッチアップし、二塁を陥れる好走塁を見せた東海大相模・井上(撮影・北條 貴史)
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 2回戦4試合が行われ、今春関東王者の東海大相模(神奈川)は今春近畿王者の近江(滋賀)と激突。6―1で優勝候補同士の一戦を制し、優勝した15年以来の白星を挙げた。9年連続出場の作新学院(栃木)は今春センバツベスト8の筑陽学園(福岡)に延長10回の末、5―3で競り勝ち、優勝した16年以来の白星をつかんだ。3回戦に進んだ両校は昭和、平成、令和の「3元号優勝」を狙う。

 強打の陰にもう一つ鋭い牙があった。走って、隙を突く。超満員の甲子園を沸かせ、東海大相模の“いぶし銀”のヒーロー本間は爽やかに言った。

 「みんなで“足で崩そう”って話してたんです。どんどん攻められてよかった」

 6安打で6得点。長打1本と自慢の強打は封じられても、足でプレッシャーをかけて誘発した6つの敵失を得点につなげた。普段の2番から7番に入った本間は6点のうち3点に絡み、林―有馬の強力バッテリー攻略の原動力となった。

 4回に無安打で先制すると、5回に仕掛けた。2死二塁からエンドランで二塁走者・本間が走り、8番・松本が左前適時打。圧巻は6回だ。無死一塁から送りバント失敗の捕邪飛で、一塁走者・井上主将がタッチアップで二塁を陥れる。山村の適時打と敵失で加点すると、1死二塁からエンドランで本間が中前適時打だ。本間は9回も捕手の悪送球で二塁から一気に生還。完全に近江バッテリーのリズムを崩した。

 3日の組み合わせ決定後、宿舎で近江を徹底研究。誰となく自然に「足で崩そう」と声が上がった。高く足を上げる林の投球でスタートのタイミングを計り、始動が遅れる有馬の送球の隙を突くことなどを確認。門馬敬治監督は「バッテリーをいかに苦しめるか、打つことより走塁を重視した」と言った。

 「AGGRESSIVE BASEBALL」――。学校のグラウンドに掲げられている横断幕には、そう書かれている。名将・原貢監督(故人)から受け継ぐ攻撃野球だ。普段の練習でも全力疾走を怠れば「グラウンドから出て行け!」と仲間に叱責(しっせき)される。昭和の時代からの伝統が令和の甲子園でその威力を発揮。本間は「いつもの練習通りです。自分たちの野球ができた」と胸を張った。

 3元号Vへ、東海大相模がアグレッシブにスタートした。(秋村 誠人)

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