阪神新守護神・球児が久々S 矢野監督「チームにとっても新たなスタートになった」

[ 2019年7月27日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―2巨人 ( 2019年7月26日    東京D )

9回2死二塁、丸から空振り三振を奪って最後を締めた藤川は雄たけびをあげる(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 最後の打者・丸を147キロの直球で空振り三振に仕留めると、右手でグラブをポンと叩いた。新助っ人・ソラーテの一発で勝ち越した宿敵との第1ラウンド。最終9回を鮮やかに締めくくったのが藤川だ。慣れ親しんだ場所、慣れ親しんだ場面。新たに託された持ち場で、全力を尽くした14球に声が弾んだ。

 「こういう展開の中で、いつもと同じ気持ちで(マウンドに)上がりました。これまでは同点が多かったので。守るもの(リード)がある状態で投げさせてもらっているので、そういう意味では楽でした」

 先頭の代打・立岡に中堅右へ二塁打を浴びたが、ここで百戦練磨の男が動じるはずもなかった。「気にしすぎず、投げようと」。続く若林を一直に退けると、坂本は中飛に仕留めた。決め球はいずれもうなりを上げる149キロの直球だった。36試合目の登板で今季初セーブ。セーブは実に昨年9月12日の中日戦以来だった。心地よい疲労感に包まれながら軽やかな足取りで球場を立ち去った。

 ドリスの登録抹消に伴い、この日から守護神の座を託された。2番手の島本が絶体絶命の難局を乗り越え、ジョンソン、岩崎とつないだバトン。新勝利の方程式を完成させ、連敗を2で止めた。「試合前から球児につなげようと言っていました。久しぶりの景色の中で、ああやって投げてくれた。250セーブを目指して欲しいですね」。金村投手コーチは変わらぬ信頼を寄せた。通算226セーブ目も藤川にとっては通過点でしかない。

 この日の快投で矢野監督の迷いも消えただろう。「新しい形で球児が最後を締めて勝てたというのは、チームにとっても新たなスタートというか、そういう試合になったと思います。抑えは球児っていうのは決められる」。7、8回の継投は流動的だが、9回を藤川で固定できる意義は大きい。ソラーテの劇的弾で再スタートを切った猛虎の最終回に頼もしい男が帰ってきた。(吉仲 博幸)

続きを表示

2019年7月27日のニュース