広島・小園、初マルチも2失策「何とか攻めて前に進んでプレーしたい」

[ 2019年6月23日 05:30 ]

交流戦   広島2―3オリックス ( 2019年6月22日    マツダ )

6回無死一塁、吉田正の遊ゴロの打球をトンネルした小園 (撮影・奥 調)
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 広島・小園海斗内野手(19)は22日のオリックス戦で、攻守で明暗が分かれた。6回に右翼線への二塁打でプロ初長打を含む初のマルチ安打とするも、決勝点につながる失策を含む2失策を犯した。チームは連敗し、残り2試合で過去にリーグ優勝チームのいない交流戦最下位からの脱出を迫られた。

 失策に唇をかみながら、打席でミスを取り返す心意気は見せた。小園は今、成長の階段を傷つきながら登っている。

 「大観衆の中で思っている以上のプレーはできない。何とか攻めて前に進んでプレーしたいです」

 初回2死一塁の守備では、吉田正の遊撃へのゴロを両膝を地面につけて大事に捕球しようとしても、ボールが収まらなかった。6回無死一塁では、吉田正のゴロを今度はトンネル。これが決勝点を含む1イニング3失点につながる敗因となった。

 「腰も高くて形ができていない。止まって捕っている。対応能力という点では今日も経験できたし、攻めた守備をしていきたい」

 これでプロ初出場から3試合で4失策を数えた。今春オープン戦では15試合で1失策だった堅実な守備が別物となるシーズンの重圧。山田内野守備走塁コーチは、「大事にいき過ぎるのは分からないでもない。この状況を打開しないといけない」と高みを求めた。

 くじけそうな心のままの打席だった。3回2死で1ボールから荒西の直球を中前打、失策した直後の6回1死からは、右翼線への二塁打を放って菊池涼の適時打につなげた。

 ともにプロ初の長打とマルチ安打。「自分のバットで取り返そうと思った。それぐらいの気持ちで次もやっていきたい」。東出打撃コーチは言う。「3打席とも内容がよかった。あいつは苦しいと思う。でも、改めて基礎能力が高いことに気付けたし、1軍に上げてよかったと思う」。

 しかし、交流戦のチーム打率・219と12球団ワーストの打線は、小園のミスを取り返せなかった。9安打2得点での連敗。阪神と中日の勝利で、交流戦の最下位争いは広島とヤクルトに絞られた。過去にリーグ優勝チームのいない交流戦最下位からの脱出へ、残り2試合。不吉なデータを取っ払ってから、リーグ戦に向かいたい。(河合 洋介)

 ≪月間負け越し決定≫広島が敗れ、6月は5勝12敗1分け。今月5試合を残し月間負け越しが決まった。広島は4月を11勝13敗と負け越したが、5月は20勝4敗1分けと大きく勝ち越し。月間20勝以上を挙げたのは5月の広島まで延べ8チーム。うち、翌月負け越しは97年横浜が8月20勝6敗→9月9勝11敗となったのに次ぎ22年ぶり2度目になる。ただし、横浜は7月を13勝5敗と勝ち越し。月間20勝を挟む前後の月に負け越したのは広島が初めてだ。

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2019年6月23日のニュース