佛教大 4度目の3点差逆転ならずも誇りの準V “全国レベル”体感し「いい経験できた」

[ 2019年6月17日 18:40 ]

第68回全日本大学野球選手権大会 決勝   佛教大1―6明大 ( 2019年6月17日    神宮 )

<明大・佛教大>準優勝も、敗戦に悔しさをにじませる佛教大ナイン(撮影・木村 揚輔)
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 頂点にはあと一歩、届かなかった。初優勝を狙った佛教大は今秋ドラフト1位候補の明大・森下を攻略できず、準優勝に終わった。それでも大学として、さらに京滋大学野球連盟としても過去最高の成績は輝きを放つ。田原完行監督(59)は「ここまで残らせてもらうことは予想だにしなかったが、何かを得て京都に帰りたいとチームで話していた。こういう形で最終日まで野球をすることができたし、これを今後に生かさないといけない」と前を向いた。

 3回に失った3点が“吉兆”となるはずだった。1回戦・八戸学院大戦、準々決勝・東北福祉大戦、準決勝・東海大戦といずれも0―3からの逆転勝利。くしくも同じ展開となり目に見えない「追い風」が期待された。だが、森下は簡単には揺らがない。4回から毎回安打を放つものの、8回まで三塁を踏むことができずゼロ行進。4回から3番手として登板し、好投を続けていた今大会初登板の福森建投手(4年=水口)が0―3の9回に3失点し、勝敗は決した。今秋ドラフト指名候補の右腕は「情けない姿を見せてしまった。秋には必ず、日本一を取れるようにしたい」と悔しさを隠そうともしなかった。

 それでも一方的な展開で終わることなく、確実に爪痕は残した。9回、先頭の八木風磨外野手(3年=北稜)が左前にポトリと落ちる打球を放ち、一気に二塁へ。1死二塁から3番・野嶋惇登外野手(3年=和歌山商)の放った打球は一塁ベースに当たり、右翼線へと転がる幸運な適時二塁打となった。準決勝までに見せてきた“神がかり”的攻撃の一端は示した。八木は「意地です」と振り返り「点を取られても絶対に引かないということ」と今大会の収穫を挙げた。

 仏教精神を建学の理念とする大学。奈良・五條、桜井など高校野球の監督を長く務め、2016年4月から指揮を執る田原監督は、奈良県吉野郡の「浄土宗妙楽寺」で住職を務める。指導について「仏教の教えは、なかなか役に立つんですよ」と穏やかな笑みを見せる。「執着があるから、悩みがある」。勝利への「執着」が強すぎると心が揺れ動き、普段通りのプレーをすることができない。だからこそ初回から9回まで一定の精神状態で1試合を戦うことを理想とする。選手には失敗した時こそ、積極的に声をかける。「(高校の)トップレベルの選手が来るリーグ、大学ではない。だからこそ何を目的とするのか。野球を通して社会に出て、名前を呼ばれるようにしようと話している」と人間形成に主眼を置く。選手達は立派に全国の“エリート軍団”と渡り合った。「全国大会での成功は初めて経験すること。これを持って帰って消化しないとバチが当たりますね」と笑った。

 主将の吉村颯捕手(4年=龍谷大平安)は清々しい表情で「悔しい気持ちはあるが、個人としては良かったと思う」と話した。全国トップレベルの選手、野球を体感することで勝つために必要なものが見えてきた。「決勝まで来られてチームにとっても、リーグにとっても、いい経験ができた。今までは手探りでしか練習していなかった。どういう練習をすればいいのかが明確になった。夏にそれに取り組んで、秋には明治神宮大会に必ず出場できるようにしたい」。チーム一丸で戦った5試合。佛教大が大きな財産を京都へと持ち帰る。

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