中畑氏 覚悟感じる巨人・原監督の大城スタメン起用…若女房はどう応える?

[ 2019年6月11日 08:30 ]

バッティングが光る巨人・大城卓三捕手
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 【キヨシスタイル】相手の先発投手が右でも左でも関係ない。巨人の原監督が交流戦前から大城を12試合連続でスタメン起用している。真のレギュラー、生え抜きのスター選手をつくるんだっていう強い覚悟を感じるね。

 今季それまで捕手ばかり8試合しか出場がなかった大城を初めて一塁に入れたのは5月26日の広島戦。この試合から先発出場が続いているんだけど、ポジションは12試合中10試合が一塁で、DHと捕手がそれぞれ1となっている。

 打順は6番に入れた6日の楽天を除けば、すべて5番。交流戦に入ってパ主催ゲームでは阿部慎之助がDHで使える状況になっても、だよ。思い出すのは第2次政権の2008年だ。高校を出て2年目の坂本勇人を正遊撃手に抜てきした。

 翌09年の途中から1番に固定し、勇人を大きく育てた原監督。第3次政権の目玉として大城に白羽の矢を立てたんだ。ゆくゆくは岡本とON砲のような左右の強力コンビを組ませたいと思っているんじゃないかな。OとOだから「ダブルO砲」か。悪くないねえ。

 大城にはバットマンとしてそれだけの魅力がある。何と言ってもパワーピッチャーに負けないヘッドスピード。長打力があって、広角に打ち分ける粘っこさもある。でも捕手というポジションでは出場試合には限りがある。もったいない。打撃力を生かすには一塁か外野…。早くコンバートすればいいと思っていた。

 私はDeNAの監督時代、心中してもいいと思って筒香を4番で使い続けた。原監督も同じだと思う。5番で起用し続けることによって「おまえにはそれだけの力があるんだぞ」と無言のメッセージを送っているような気がする。

 信念を持った原監督の起用に大城はどう応えるか。東海大からNTT西日本をへて入団2年目の26歳。私が駒大から巨人に入って4年目でレギュラーを獲った年だ。毎試合出続ける中で、どれだけスタミナを持ち続けられるか。それがポイントになる。

 令和元年に「ダブルO砲」襲名なんてカッコいいじゃないの。シーズン終了までしっかり見届けたいね。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2019年6月11日のニュース