田淵幸一氏、花巻東対決を生観戦 18年ぶりの米球場…歴史的な試合に「感無量」

[ 2019年6月10日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス12―3マリナーズ ( 2019年6月8日    アナハイム )

エンゼルスタジアムの観客席で大谷と菊池のメジャー初対決を観戦する田淵幸一氏
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 大谷と菊池の歴史的な「花巻東対決」を、スポニチ本紙評論家の田淵幸一氏(72)がエンゼルスタジアムの観客席で見届けた。01年のプレーオフ取材以来、18年ぶりに大リーグの球場に足を運び、観戦記を寄せた。

 いいもの見せてもらったよ。エンゼルスの3者連続弾。トリを務めた大谷の打球は打った瞬間、捕られると思った。あれよあれよのうちに左中間フェンスの先へ。強振してないのに、しっかりリストを利かせている。ヘッドスピードが速く、なおかつボールをバットに乗せてくっつけている時間が長いから、逆方向へもあれだけの飛距離が出るんだ。

 すっかり引き立て役になった雄星は初めてのメジャーで疲れが出ているんだろうね。下半身がへばって軸足に体重が乗らず、上半身が早く開いているから真っすぐが走らない。このところの不振は、切れない真っすぐが致命傷になっている。

 大リーグ史上2度目の、高校の先輩後輩による日本人対決。実は今回の旅は法政一高の同期でキャプテンだった仲間と思い立った。メジャーを見に行こうや。ともに73歳になる年。最後のつもりでやってきた米国で歴史的な試合に遭遇できるなんて感無量だ。

 初めてプロ野球を見たのは小学3年生の1955年、ヤンキースを迎えた日米野球だった。カクテル光線まぶしい後楽園球場が私の原点。それ以来かな。ホットドッグにかぶりつき、コーラで流し込んでの観戦。鳴り物のない応援はいいな。打球音がよく聞こえる。

 スタンドには小さな子供を連れたファミリーが目立つ。こうして親から子に野球が伝えられているんだな。ショップで3人の孫へお土産を買ったよ。そして私は冥土の土産を…。いや、こんなに楽しかったらまた足を運びたくなる。

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2019年6月10日のニュース