オリK―鈴木、耐えてつかんだプロ1勝 “消えた白星”をバネに

[ 2019年5月19日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス2―1西武 ( 2019年5月18日    京セラD )

オリックス先発・K-鈴木の投球(撮影・井垣 忠夫)
Photo By スポニチ

 記念球を手にするとオリックス・K―鈴木が笑顔を浮かべた。「うれしいのが一番ですが、内容がちょっと」。これまでの3試合と違い、6四死球を出す苦しい投球。2回ですでに52球を投じるなど制球に苦しんだが、「高めにいかないように」と何度も言い聞かせ、6回途中1失点でしのいだ。過去2試合は救援陣に白星を消されたが、この日は助けられてのプロ初勝利となった。

 高校時代は、千葉大会で上沢(日本ハム)と投げ合い、引き分け再試合の末に敗れた。国際武道大でプロ志望届を出したが、指名漏れ…。アマチュア時代は「悔しい思い出が、いっぱいあります」という。しかし、兄を越えたいという願いが、悔しさを乗り越える原動力となった。

 家族で一番仲が良いという兄の雄一郎さんとは、10歳も年が離れている。雄一郎さんは身長1メートル89で、中央学院時代に147キロを出した好投手。兄の姿を追って野球を始め、「絶対に超えてやろう」と練習に打ち込んだ。昨年ドラフト2位指名を勝ち取り、「おめでとう、家族の誇りだ」と兄から掛けられた言葉で、苦しかった思い出は全て報われた。

 「初勝利まで長いという感じはないです。チームの優勝に貢献するのが一番なので、次からも頑張りたい」

 この日も観戦に訪れた両親には、試合後、直接記念球を手渡し、「4度目の正直ですね」と笑った。今季4戦とも応援に駆けつけた両親へ親孝行。負ければ借金8に逆戻りする土俵際だっただけに、オリックスにとっても孝行息子だ。西村監督も「勝ちをつけることができてよかった。良い投球だった」と称えた。(鶴崎 唯史)

続きを表示

2019年5月19日のニュース