大谷は「走り回るゴジラだ」、積極走塁に敵将脱帽「メジャー屈指の俊足」 

[ 2019年5月16日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス3―4ツインズ ( 2019年5月14日    ミネアポリス )

<ツインズ・エンゼルス>6回、一塁から快足を飛ばし、三塁を狙うがタッチアウトとなる大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が14日(日本時間15日)、敵地ツインズ戦に「3番・DH」で出場し、2度の積極走塁で沸かせた。いずれもアウトになったが、昨年10月に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた影響を感じさせない果敢なスライディング。打ってはメジャー通算100安打目を含む今季初の3安打で、自身メジャー初の3戦連続マルチ安打を記録した。

 迷いはなかった。1点を追う8回2死一、二塁。二塁走者の大谷は、中前打で本塁へ突入した。一直線に右足から滑り込み、中堅バクストンの98・6マイル(約158・6キロ)のノーバウンド送球に間一髪、阻まれた。

 「2死なので外野まで(打球が)いったらホームまで還るという走塁。判断は間違っていない」。左足でブロックした捕手ガーバーを吹っ飛ばす強烈なスライディングだった。

 常に先の塁を狙う姿勢は、一塁走者だった6回1死でも同じ。右前打で三塁へ向かった。「何とか1死一、三塁で(5番の)プホルス選手につなぎたかった」。ここでも憤死したが、右肘手術後の野手復帰に際し、懸念されていたスライディングで一切のちゅうちょを見せなかった。

 ツインズのロッコ・バルデリ監督(37)は「彼は本当に走れる。メジャー屈指の俊足の一人」と、本塁から一塁までの速度がメジャーで優秀とされる秒速29フィート以上(時速約31・8キロ)を昨季30回以上記録した俊足を絶賛。さらに、自身がレイズでの現役時代に新人王を争ったヤンキースの松井秀喜氏(44=現ヤ軍GM特別アドバイザー)を引き合いに「走り回るゴジラだ」とまで言った。

 今季は走塁中、右肘に特注プロテクターの装着を余儀なくされる大谷だが「もう、そこまで違和感はない」という。ヘッドスライディングは禁止。足から滑る場合に「右肘を上げながら」というルールもチームから課せられる中で、2度ともしっかり守っていた。

 課題はある。マイナー戦を経ずに復帰。スライディングを含む走塁練習も行ったが、実戦ではない。6回は二塁を回って一度止まるようなしぐさも見せた。「打撃よりも実戦(で感覚を養わなければならないこと)の要素は大きい」と実感する。それでも前向きだ。

 「考える要素はちょっと多いと思いけど、基本的には次の塁を狙いにいくことが大事」

 全てにおいて全力かつ、ハイレベルなパフォーマンスこそ、大谷の魅力であり身上だ。(柳原 直之)

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