雄星、憧れヤンキースタジアムで快投2勝 8回途中1失点「無我夢中」

[ 2019年5月10日 02:30 ]

ア・リーグ   マリナーズ10―1ヤンキース ( 2019年5月8日    ニューヨーク )

ヤンキース戦に先発したマリナーズ・菊池
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 マリナーズ・菊池雄星投手(27)が8日(日本時間9日)、ヤンキース戦で自己最長となる7回2/3を投げ、3安打1失点で日本人大リーガーの令和初勝利となる2勝目(1敗)を挙げた。西武時代の16年に弾丸渡米で観戦した憧れの舞台・ヤンキースタジアムで初登板初勝利。平成の大先輩たちの遺産を引き継ぎ、新たな歴史を築くことを誓った。

 高校時代からメジャーに憧れてきた菊池にとって、この球場のマウンドは格別だった。メジャーで初めて8回途中まで投げ3安打1失点。負ければチームの借金生活転落の危機を救った。

 「ここを中心に野球の歴史がつくられてきた。そこでいい勝ち方ができた。本当にいい試合になった」

 初回先頭に四球を与えたが次打者から16人連続アウトに封じた。6回1死から三塁手後方にポトリと落ちる二塁打を許すまで、一本のヒットも許さなかった。前回は最速97マイル(約156キロ)の直球を軸に2桁10奪三振。今回は94マイル(約151キロ)止まりながら、カーブ、スライダーを両サイドに散らした。前回のイメージも逆手に取り「引き出しが毎試合増えている。配球も少しずつ変わっている」とうなずいた。

 西武時代の16年。9月28日、日本ハムとのシーズン最終戦で大谷と西武ドームのナイターで投げ合うと、その足で深夜の羽田空港へ向かった。翌日の早朝便、エコノミー席でニューヨークへ飛び、29日のレッドソックス戦、30日のオリオールズ戦とヤンキースタジアムで2試合観戦した。「他のスタジアムとは違った雰囲気。このカード中も、雰囲気を凄く感じながら試合を見ていた」。ファンは辛口で知られ、敵軍選手には容赦ないブーイングが響く。「抑えたらシーンと静かになる。アウェーの大観衆の中で抑えた時は、凄くうれしい」。反撃の機運さえ与えず、3万8774人の敵地ファンを沈黙させた。

 1年早く海を渡り、エンゼルス入りした花巻東の後輩・大谷が、前日に復帰。「まだ周りのことを気にしているような余裕はないです」と話すにとどめたが、両軍は今月30日(日本時間31日)から本拠シアトルで4連戦が組まれる。打者・大谷とメジャー初対決が実現する可能性は高い。

 歴史の詰まった空気を吸い、新時代・令和の日本人大リーガー初勝利をつかんで誓った。「無我夢中で毎試合投げていますけど、日本人選手皆さん活躍されている。その歴史に僕も続きたい」。大きな勝利の余韻が菊池の胸に刻まれた。 (笹田幸嗣通信員)

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