DeNA先発陣を喜ばせる「ヒカルの抱擁」 抑え投手はVまで“お預け”?

[ 2019年4月16日 14:10 ]

<神・D>1安打完封勝利を飾り、伊藤光(右)と笑顔で抱擁を交わす浜口(撮影・北條 貴史) 
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 ファンの間で「ヒカルの抱擁」が大きな話題を集めている。

 10日の阪神戦。DeNAの先発・浜口が1安打完封勝利を挙げた。これが今季のチーム初完投。勝利が決まると、捕手の伊藤光はマウンドに歩み寄りながら両手を大きく広げる。そして浜口の体を優しく包み込むように抱きしめたのだ。

 勝利のハイタッチでも、握手でもなく、抱擁。この写真がスポニチ公式ホームページ「スポニチアネックス」などに掲載されると「いい写真!」「エモい…」「尊い!」「ヒカルとのハグに泣けてきた」「自分もDeNAに入って完封すれば、伊藤光に抱きしめてもらえるのか」などの声がネット上にあふれた。

 2日後の12日には、今度は今永が1安打完封勝利。もちろん伊藤光は、左腕をガバッと抱きしめた。今永も満面の笑み。この写真にももちろん、大きな反響が集まった。

 勝敗を争う厳しいサバイバルのプロ野球の世界にあって、一服の清涼剤のようなヒカルの抱擁。本人に聞いてみた。

 「オリックス時代からやっています。完投や完封は、先発投手として最高の結果ですから」

 バッテリーの共同作業でもあるが、女房役の伊藤光は投手の苦しさも十分に理解している。

 「投手は孤独ですし、どう迎えてあげるのがいいのかなと考えて…。それでああやって(抱きしめて)称えています。良く投げたな、っていう素直な気持ちです」

 投手にも、そんな思いは十分に伝わっている。

 浜口は「(抱きしめられて)めちゃくちゃうれしかった。バッテリーとしてああいう試合ができたし、(伊藤)光さんがああいう風に表現してくれる。熱い思いを感じました」。そして「また抱きしめてもらえるように頑張りたい」と続けた。

 ところで、ハグをしてもらえる「特権」は先発投手だけなのか?「抑え投手を抱きしめるのは、優勝の時のために取っておいてます」と伊藤光は優しい笑顔で話した。

 チームはここまで9勝6敗でリーグ2位。女房役と投手の熱い抱擁シーンが増えれば増えるほど、DeNAは21年ぶりの優勝に近づくことになる。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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