誠也 2発5打点、満開2冠 それでも「たまたま」100号も視界

[ 2019年4月7日 05:30 ]

セ・リーグ   広島10―3阪神 ( 2019年4月6日    マツダ )

<広・神>6回1死一、三塁、左中間3ランを放ち、菊池涼(左)に迎えられる鈴木(撮影・大森 寛明)
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 広島は同学年コンビが活躍し、6日の阪神戦に10―3で大勝した。鈴木誠也外野手(24)が3回に2試合連続4号2ランを左翼へ運ぶと、6回にも左中間へ5号3ランを放ち、2発3安打5打点の大暴れ。シーズン89発の驚異的なペースで一発を量産し、本塁打と打点の2冠に躍り出た。投げては床田寛樹投手(24)が6回5安打2失点の好投。724日ぶりの美酒に酔いしれた。

 床田と並んだ本拠地のお立ち台。鈴木の脳裏には、離脱中の苦しかった記憶がよみがえっていた。明日が見えない状況でも復活を誓い、同学年の左腕と大野練習場でリハビリに励んだ17年オフ。その再出発をバットで祝い、喜びが口を突いた。

 「同学年だし、ケガをしている時にも一緒にやった仲。今日も粘って投げていたので、何とか援護できれば…と思っていました」

 まずは1点リードの3回1死一塁。岩貞の初球、真ん中高めのカットボールを積極的に振り抜くと、放物線を描いた打球は左翼席に吸い込まれた。「甘い球を一発で仕留められた」。試合を優位に運ぶ2試合連続4号2ランに笑みがはじける。

 7―2の6回にはダメ押しの一発も見舞った。1死一、三塁の好機で、3番手・尾仲の甘い直球を強振。低い弾道で3ランを左中間席へ突き刺した。これで5本塁打、12打点。2部門で堂々リーグトップに立った。それでも主砲は素っ気ない。

 「ホームランはたまたま。打点も、いい打者がいるのでいずれ抜かれる。今はそこで勝負していません」

 その量産ぶりは凄まじい。開幕8戦で5発は、シーズンに換算すると実に89本ペース。それでいて「ホームランは狙っていない。ヒットの延長が…という感じ。後ろにつなぐ意識だけです」。24歳が秘めるポテンシャルは底知れない。

 節目の数字も見えてきた。通算100本塁打まで残り4本。地元テレビ局の中継で語った抱負「平成のうちに100号を」は時間の問題と言っていい。現在24歳7カ月。江藤智の25歳0カ月を抜き、球団最速で大台に到達する可能性も大だ。

 「実は100号には余り興味がない。打撃には波があるので、打てない時に四球や進塁打など、何か一つでも…と思っています」

 開幕8戦目にして猛打が爆発し、今季最多の4発11安打10得点で虎を粉砕した赤ヘル。攻撃陣の中心には、フォア・ザ・チームの精神にあふれる頼もしい4番・鈴木がいる。 (江尾 卓也)

 ▼広島緒方監督(4発を含む今季最多の11安打で10得点を挙げた打線について)誠也をはじめ、最後まで打線が集中していいスイング、いい打撃をしてくれた。

 ≪39年ぶりハイペース≫鈴木(広)が昨年8月10日巨人戦以来通算9度目のマルチ本塁打。広島打者の開幕10戦未満での5本塁打以上は、04年に嶋重宣が5本塁打して以来。右打者では80年に山本浩二、衣笠祥雄が5本ずつ打って以来39年ぶり。

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