星稜・奥川 毎回17K、自己最速151キロ!3度目聖地で「力出せた」

[ 2019年3月24日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会 第1日1回戦   星稜3―0履正社 ( 2019年3月23日    甲子園 )

<履正社・星稜>8回裏2死一、二塁、ピンチを切り抜けガッツポーズをする星稜・奥川 (撮影・平嶋 理子) 
Photo By スポニチ

 平成最後の大会が開幕し、星稜(石川)は大会No・1右腕の奥川恭伸投手(3年)が履正社(大阪)を相手に毎回の17奪三振完封。自己最速を1キロ更新する151キロを計測した。

 最終局面でも奥川は冷静だった。3―0の9回1死一、三塁。本塁打で同点の場面でも心は乱れなかった。

 「これまでピンチで腕が振れなかったり、打たれるイメージを持っていた。それを払しょくして、戦う姿勢を出せたと思います」

 履正社の4番井上をスライダーで投ゴロ併殺に打ち取ると力強く右拳を握った。甲子園3度目の先発で初完投を3安打完封勝利で飾った。毎回の17奪三振のおまけ付きで、毎回の17K以上の完封劇は97年の報徳学園・前田智章以来22年ぶりの快挙。高校入学後、自己最多の奪三振数に「三振は野手も楽。取れる場面では狙っていきました」と胸を張った。

 初回、先頭への4球目に自己最速を1キロ更新する151キロを計測。「球場の雰囲気を味方に付けるのはいいこと」。どよめきから奪三振ショーは幕を開けた。2三振を含む3者凡退で初回を終えると4回1死から小深田、井上の中軸をともに直球で空振り三振。後半はフォーク、スライダーを決め球に三振を量産した。外野まで飛ばされたのは3、9回の安打による2本だけ。昨春から3季連続出場で「甲子園に来て、自分の力が出せたと初めて思えた」という最高の内容だった。

 緊張感から初回は表情も硬く、弱気の顔がのぞいたが「この緊張感は甲子園でしか味わえない。楽しめて、自分の力に変えられた」と精神的にタフになった。また、昨夏2回戦・済美戦で右ふくらはぎをつり4回降板したことで意識も変えた。試合前日は炭水化物を大量摂取し菓子などの間食をやめた。遠征中は試合前の補食としてゆで卵、納豆、干しイモなどをコンビニで探し求める。高校日本代表の一員として臨んだ昨年9月のU18アジア大会(宮崎)で同部屋となった大阪桐蔭・根尾(現中日)から取り組む姿勢を学んだ。

 完璧な投球内容で最初の関門を突破したが「気が抜けるのは絶対、やってはダメ。今日の試合に満足することなくやろうとミーティングでも言おうと思います」と表情を引き締めた。石川県勢悲願の頂点へ「平成最後の怪物」が着実に歩みを進める。(桜井 克也)

 ≪09年興南・島袋以来》星稜・奥川が毎回の17奪三振で完封勝利。センバツの9回で17奪三振以上は、09年に興南・島袋(現ソフトバンク)が1回戦の富山商戦で17奪三振(10回で19奪三振)して以来10年ぶり17人目(18度目)。毎回の17奪三振以上での完封は、97年の報徳学園・前田が2回戦の日大明誠戦で演じて以来だ。最速は151キロ。スピードガンが普及した80年以降のセンバツでは05年の柳ケ浦・山口(現巨人)に並ぶ6位タイの速さだ。

 ◆奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年(平13)4月16日生まれ、石川県かほく市出身の17歳。宇ノ気小3年時に「宇ノ気ブルーサンダー」で野球を始め内野手兼投手。宇ノ気中では軟式野球部に所属し、3年夏に全国優勝。星稜では1年春の北信越大会からベンチ入りし、2年時は春夏連続で甲子園に出場。甲子園通算6試合4勝1敗、防御率1.95。18年侍ジャパンU―18代表。1メートル83、82キロ。右投げ右打ち。

 ≪大阪勢V3夢散≫大阪・履正社の岡田龍生監督は星稜・奥川の前に完敗といった表情だった。「あれだけ変化球でも直球でもストライクが取れるのは見たことがない」。8回は敵失、9回は四球から得点圏に走者を進めたが力でねじ伏せられ、大阪勢の大会3連覇という夢も消えた。2安打で意地を見せた主将の野口は「プロに近い投手と対戦できて、次につながるはず。大阪桐蔭を倒して帰ってきたい」と勝負の夏を見据えた。

続きを表示

この記事のフォト

「第91回(2019年)選抜高等学校野球大会」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2019年3月24日のニュース