雄星、初ナイターで4回2失点「良くなかった」イチの好捕に感謝

[ 2019年3月9日 02:30 ]

オープン戦   マリナーズ11―3レッズ ( 2019年3月8日    グッドイヤー )

力投する菊池(撮影・会津 智海)
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 マリナーズの菊池雄星投手(27)が7日(日本時間8日)、レッズとのオープン戦に先発して4回を投げ、実戦初の被本塁打を含む5安打2失点だった。3回には「6番・左翼」で出場したマイナー契約で招待選手のイチロー外野手(45)の好捕に助けられ、ピンチをしのいだ。課題だったチェンジアップで打ち取るなど実りあるマウンドとなった。

 登板後のクラブハウスで菊池はずっと笑顔のままだった。イチローから「雄星、打たすなよ!あんなとこ。おまえ、しばくぞ!(笑い)」と絡まれると、恐縮しつつも「ナイスキャッチです!」と応酬。尊敬する大先輩との一つ一つのやり取りが心底うれしかった。

 3回2死二塁。2年連続20本塁打以上の強打者ジェネットを迎えた場面だった。2ボールからの93マイル(約150キロ)直球を左翼後方へ運ばれたが、イチローが素早く落下点に入り好捕した。勢いあまってフェンスにぶつかるほどの大飛球だった。

 キャンプ地のため照明が弱く、イチローは「暗いです。大変す」と愚痴をこぼした。菊池の方は「上がった瞬間に“あ、大丈夫だ。レフトはイチローさんだ”と。必ず捕ってもらえると思って待っていた」。ベンチ前で待ち、戻ってきたイチローが差し出したグラブに左手を当てて感謝の気持ちを込めた。

 実戦3度目の登板は4回5安打2失点。初回に先制を喫し、2回にイチローとマーリンズ時代の同僚だったディートリッチに右中間へ実戦初被弾の特大ソロを許したが、収穫の多い内容だった。2回2死ではカサーリを課題だったチェンジアップで遊ゴロに仕留め「今までストライクゾーンにいくボールではなかった。実戦で遊ゴロに打ち取れたというのは次につながる」と手応え十分。最速94マイル(約151キロ)を計測した直球とのコンビネーションがさえた。

 初回にプイグの打球がワンバウンドで左太腿を強襲したが、予定通りの4回を投げ切った。「ここ3試合では一番良くなかった。その中で最少失点というか1点ずつで抑えられたのは自信になる」。夢の舞台での野球が楽しくて仕方がない。菊池は一歩ずつ階段を上る。 (柳原 直之)

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2019年3月9日のニュース