巨人・阿部1073日ぶり実戦マスク 3回1失点好リード「久しぶりに緊張」

[ 2019年2月27日 05:30 ]

練習試合   巨人7―6中日 ( 2019年2月26日    沖縄セルラー )

2回2死一塁、打者・松井佑の時、堂上の盗塁を阻止しようと二塁へ送球する阿部(撮影・森沢裕)
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 今季から捕手に復帰した巨人・阿部慎之助捕手(39)が26日、中日との練習試合(沖縄セルラー)で実戦では3年ぶりとなる先発マスクをかぶった。先発の山口俊投手(31)を好リードで引っ張り、人生初の9番に入った打席では2回に今季初安打となる左前打もマーク。原辰徳監督(60)は正捕手の条件に守備力を掲げ3月中旬まで正捕手を競わせる方針を示した。

 阿部が慣れ親しんだ本塁ベース後方に腰を下ろした。「久しぶりに緊張した。青空?満喫している暇はなかった」。送球のカバリングに大きな体を揺らして疾走し、山口のワンバウンド投球を必死に体で止めにいった。

 「キャッチャーはしんどいなと。やることが多いから、大変だと改めて感じた」。公式戦では15年が最後で、16年3月20日の西武とのオープン戦(東京ドーム)以来、1073日ぶりの捕手出場。来月で40歳になるベテランが、3回終了後に退くまで一球に集中し、動き回った。

 バッテリーを組んだ山口が試したかった、左打者の外から入ってくるスライダーに加え、チェンジアップを多用。初回2死から平田をチェンジアップで空振り三振に仕留めるなど、巧みなリードで3回1失点の好投に導いた。打者ごとに守備位置も細かく指示。グラウンドで司令塔となった阿部は「自分が思ってたよりはできた。明日の朝、無事に起きられたらいい。3イニングだけで背中をつりそう」と笑顔で話した。

 原監督は「はつらつと動いていた」と評した。だが、小林、FA加入の炭谷、2年目の大城との正捕手争いはし烈だ。指揮官は捕手は1軍3枠の方針を示し、正捕手の条件に「一番は守備力。(捕手はグラウンド上では)監督ですから」と掲げた。3月中旬まで争いは続く。

 さらに原監督は「(他の野手の)1番から7番までの人たちが頑張ってもらいたい」とし、捕手を8番で起用する構想も披露した。DH制のあったこの日は「人生初」という9番に入り、2回に今季初安打となる左前打を放った阿部。通算399本塁打の打力は魅力だが、まずは守備力が求められる。

 「少ないチャンスでしっかり自分の役割を果たしていくだけ。(マスクを)かぶってイニングを重ねる体力をつけていかないと」

 19年目を迎えたベテランの目は正捕手獲りを見据えている。 (青森 正宣)

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2019年2月27日のニュース