沖縄単独自主トレの広島・一岡 立場保証されても…練習でかき消す不安

[ 2019年1月28日 09:00 ]

沖縄自主トレでダッシュをする一岡
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 孤独が背中を押す。2月1日のキャンプインに向け、練習の強度が一気にあがる年明け1月。他球団の選手と合同自主トレを行うことが増えている。広島では、鈴木と坂倉は宮崎でソフトバンク・内川、上林らと、田中広は沖縄で弟の巨人・田中俊らと、西川は鹿児島で日本ハム・近藤らと……。これでもまだ一部だ。そんな流行とは逆行するかのように温暖な沖縄や宮崎などを拠点に単独自主トレをする選手もいる。

 一岡は、沖縄県那覇市で1月5日から16日間、トレーナーと2人だけで生活を送った。「沖縄に入ってからは野球のことしか考えていなかった」。午前8時30分から練習を開始すると、午後はウエートや砂浜を走っての強化練習。コインランドリーに行って、食事と治療を終えれば午後10時が迫る。言葉通りの野球漬けだった。

 疲労感に襲われながらベットに入っても、まだ野球のことが頭から離れない。「キャンプの日数が近づくたびに眠れなくなります。1人になると不安になるんです」。そこには、単独自主トレだからこその理由があった。

 「“誰かがこれだけやってます”というカープのニュースを見ると、心臓がバクバクして動悸(どうき)が止まらなくなるんです。僕も頑張らないといけないと思うと眠れなくて次の日の朝を迎えて、練習しないといけないなというのを毎日繰り返すんです」

 沖縄での16日間で取った3日間のオフさえも許せない。「不安でたまらない。今、休んでいる間にあいつは走っているんだろうなと思ってしまう。試合に出られる保証もないし、1月は不安です」。佐々岡投手コーチから「中崎と一岡以外は先発調整」と立場を保証されている投手でさえ、不安を練習でかき消した。

 また、松山は地元の鹿児島で単独自主トレを行った。昨年の秋季キャンプは、プロ11年目にして初めて免除された。昨季、自身初の規定打席に到達しても「やるかやらないかは自分次第」と責任は重くのしかかった。オフ期間のウエート、走り込み量を過去最高に設定し「打球の飛距離が出ている気がする」と早くも手応えを感じるほどに1人で追い込んだ。

 1人でやるもよし、複数で切磋琢磨(せっさたくま)するもよし。自主トレ方法に正解はない。単独トレなら自由気まま……なんてことはあり得ない。オフの過ごし方の選択肢は年々増え、どれを選んでも自己責任がついて回る。本当にこの過ごし方でよかったのか――。全プロ野球選手が不安を抱いたまま、球春を迎える。(記者コラム・河合 洋介)

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