楽天、新人10選手が被災地・閖上地区訪問 神戸出身の辰己「プロとしてできることを」

[ 2019年1月15日 17:18 ]

閖上小中学校の慰霊碑に献花し、手を合わせる八森校長(左端)と(同2人目から)清宮、小郷、佐藤、引地、辰己、太田、弓削、渡辺佳、鈴木(撮影・尾崎 有希)
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 楽天の新入団10選手が15日、東日本大震災で甚大な被害のあった宮城県名取市の閖上地区を訪れた。昨年4月に小中一貫校として開校された閖上小中学校を訪問し、見学して回った。

 震災で名取市では911人が命を落としたが、うち750人は閖上地区が占めた。現在でも40人が行方不明となっている。地区全体を3メートルかさ上げして海抜5メートルとし、真新しい校舎の周辺には新築住宅も並び始めたが、まだ何もないまっさらな土地が多く、以前の町並みにはほど遠い。

 ドラフト1位の辰己涼介外野手(22=立命館大)は兵庫県神戸市出身。生まれた前年の95年1月17日に、阪神・淡路大震災が起きた。直接被災したわけではないが、20年以上経った今も残る震災の爪痕を見ながら、被災地という環境下で育ってきた。

 「家の周りに避難してきた方もおり、仮設住宅で生活している方だったりを見てきた」と当時を振り返る。神戸復興を願う「しあわせ運べるように」を歌い続け、プロ野球選手となった。

 「何かの縁があって東北に唯一あるプロ野球チームに入団できた。子どもの時は地元に何もできなかったですが、これからはプロ野球選手としてできることがあると思っています」と気持ちを新たに。

 まだ傷の癒えない閖上地区を前にして「まだ復興途中と改めて目の当たりにし、元気や勇気を与えられるように、一生懸命背番号7を背負い頑張っていきたいです」と誓った。

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2019年1月15日のニュース