大谷が語った打撃の最大ポイントとは…打席で研ぎ澄まされる独特の感覚

[ 2019年1月10日 08:30 ]

打撃のポイントを連続写真で指さす大谷(撮影・会津 智海)
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 今年のスポニチ正月版(東京版)でエンゼルス・大谷に自身の打撃フォームを分析してもらった。日本ハム1年目の13年と、昨季の連続写真を徹底比較。超がつく「激レア」な企画だったので、紙面で伝えきれなかったコメントや考え方などを本コラムで紹介したい。

 大谷は打撃の最大のポイントに「構え」を挙げた。その後、続けた言葉はこうだった。「動く前。動く前というか、投手の見え方。自分がどうやって動き始めるか。(調子が)良い時は投手がモーションに入る前に、構えている段階で、もうこれは打てるなという感じはする。本当に打撃(の調子)が悪い時っていうのは何も思い浮かばないというか、自分がどう立っているのかすら本当分からなくなってくる。一番はやっぱりそこですね。どこを大事にしているかと言われれば」。打席の中で投手のモーションがどう見え、それに対しどう動くか。「打者・大谷」の感覚は打席に入った瞬間に研ぎ澄まされるというのだ。

 右足を内側に少しだけひねり、踏み込む。メジャー1年目の18年は開幕直前に取り入れたすり足に近い新打法が注目されたが、大谷は「ステップはしているので、それが事実」と言う。大谷の中ではすり足でもなければ、ノーステップでもない。「頭もそうですし、全体的にあまり動かない。なるべく動かずに、なおかつ大きな力を発揮する」という自らの打撃テーマを追求した結果、右足を上げずに踏み込む形となった。そして、こうも言った。「毎年(打撃フォームは)変わっていますからね、そんなのは今に始まったことではないので」。うまくなるために。変化は恐れない。来季は再び右足を大きく上げている可能性だってあると個人的には感じている。

 今回のインタビューの最後には、古巣・日本ハム、そしてドラフト1位の吉田輝(金足農)にもエールを送ってくれた。吉田輝については、映像で見たことはないというが「頑張ってほしい」とし「自分が所属していたファイターズにやっぱり優勝してほしい」と話した。

 大谷を担当して今年で6年目になる。自身の考えを整理して、丁寧に言葉を伝える能力の高さにはいつも驚かされる。打者で出場しながら、投手として右肘のリハビリに臨む前例なき挑戦が始まる2019年。大谷の変わらぬ信念を、そして進化を追っていきたい。(記者コラム・柳原 直之)

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