帰ってきた名将 1枚の写真が物語る巨人・原監督の存在感

[ 2019年1月5日 09:00 ]

野球盤に並ぶ巨人選手たちを応援する原辰徳監督
Photo By スポニチ

 1月1日付のスポニチ紙面を見てくれた読者はどのように感じただろうか。個人的にとても目を引いたのは、7面で展開した巨人・原辰徳監督のインタビュー記事だ。その中でも大きく掲載した写真が、手前みそながら凄くよかったと思っている。

 野球盤の上に並べた巨人ナインの写真を、真上から原監督がのぞき込んで「いけー!」と、叫んでいるようだった。そんな動きが、パシャリと収まっている。自分は取材現場にいなかったが、紙面を見ているだけで、その場の雰囲気、指揮官の声が響き渡りそうな気がした。

 もちろん、正月らしい企画紙面をつくろうと、担当記者、カメラマンは知恵を絞るのだが、そんな考えに、指揮官が全力で応えてくれた。紙面をつくる立場としては頼もしく、感謝するばかりだ。

 個人的な話だが、子どもの頃は巨人とロッテが好きだった。40代の記者にとって巨人の4番といえば、もちろん原だ。小学生の頃は、クラスの半分が巨人ファンで、残りが西武ファンと他球団といったイメージ。中畑清と原が人気だったが、自分は篠塚和典の流し打ちと松本匡史のセーフティーバントに憧れた。

 スポニチに入社した1995年に原は現役引退。会社のテレビで引退セレモニーを見ていたら涙がこぼれた。他球団の担当記者として、原監督の近くで見ていたが、直接取材することはほぼなかった。取材は、遊軍記者として担当記者が囲む中に入ったことぐらい。それでも「たまにしか取材できない。せっかくだから、何か質問しよう」と、あるプレーについて話を投げかけると、顔も知らない記者の目を見て答えてくれた。

 野球記者として巨人以外のセ・パ4球団を担当した。そういえば、就任直後の日本ハム・栗山監督は「監督の使命のひとつは、球団の広告塔」と周囲に打ち明けていたと聞いた。そこにはいろいろな狙いがあるのだろう。チームの露出を増やしてファンを増やすこと。これは営業にもつながる。

 ファンに選手の名前を少しでも覚えてもらいたいとの親心もあるだろう。また、自らがメディアに積極的に話すことで、選手の取材負担を減らし、プレーに集中してもらいたいとの狙いもあるかもしれない。スポーツキャスター出身だからこそ、メディア側への理解、配慮も深いだろう。

 原監督は、指揮官としてリーグ制覇7回、日本一3回の名将だ。百戦錬磨の経験と抜群の実績、このオフは戦力補強も見事なまでに行った。ファンは14年以来の優勝へ、大きな期待をもっているだろうが、記者は1月1日の紙面を見て、別の期待感も大いに抱いた。写真一枚でこれだけの存在感を出せる人はなかなかいない。

 今年の巨人はいろんな意味でおもしろくなる。そういえば、栗山監督が中学時代から誰よりも憧れてきたのが、原監督だった。(記者コラム・横市 勇)

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