“あそび”で楽しむ野球イベント開催、その背景に競技人口減少の危機感

[ 2019年1月4日 11:30 ]

「Hello WASEDA presents 現役のプロ・アマ選手と一緒に野球あそびをしよう」で子供たちから質問を聞く重信
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 記者になって初めてのシーズンオフ。野球教室やトークショーなどに足を運び、シーズン中とは違った視点で野球について考えることも多い。先月、取材させていただいた「Hello WASEDA presents 現役のプロ・アマ選手と一緒に野球あそびをしよう」というイベントが興味深かったので紹介したい。

 早大野球部のOB会が主催し、日本ハム・斎藤、巨人・重信ら卒業生が参加。一般的な野球教室と異なり、少年野球チームに所属していない小学生を対象としたのが特徴で、指導よりも「あそび」に主眼を置いた。参加した両選手もイベントの趣旨に共鳴。斎藤は「こういう取り組みは本当に素敵なこと。野球人として大事だなと感じるので参加させていただいた」。重信は「野球って楽しかったなという気持ちを思い出させてくれたので参加して良かった。まずは外で遊ぶ楽しさを知ってもらって、習慣にしてもらえたらいい」と振り返った。

 イベントの背景には野球人口減少に対する危機感がある。斎藤は小中学生が野球を敬遠する理由を「親からやらされる。野球はこうじゃなくてはいけないと。やらされるのと率先してやるのとは全然違う」と分析。子供自身が楽しんで野球と触れ合う重要性を訴えた。重信は小学生の頃、自宅近くの調整池の芝生でよく遊んでいたという。千葉県出身で、高校時代から東京で暮らし「千葉はどこでも遊べたが東京は遊ぶ場所がないと感じていた。公園では何もできない印象」と都内の環境を指摘した。

 イベント前には1時間ほどグラウンドを開放し、自由に遊べる空間が用意された。子供たちに野球の楽しさを知ってもらうことで裾野を広げるきっかけになる。「野球が将来目指したいことの一つとして上位にあってほしい。僕たち選手レベルが意識してもっともっと取り組まなくては」と斎藤。こうした地道な活動を続けていくことが未来につながるはずだ。(記者コラム・岡村 幸治)

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2019年1月4日のニュース