【矢野監督&赤星氏対談3】赤星氏「盗塁成功率は8割ぐらいでどうですか?」

[ 2019年1月2日 13:49 ]

盗塁について熱く語る赤星氏
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 赤星 「2軍監督での1年間は大きかったですか?」

 矢野 「めちゃくちゃ大きかった。構想は元々あったけど、想像以上。全然盗塁してない俺なんかは塁に出てもアウトになったらアカンてまず考えるから、走られへんねん。そうすると盗塁のサインが出ても、いつも走ってないからスタート切られへん。それをアウトになってもいいから行ってみたらというと、例えアウトになっても、例えばもう半歩リードを大きくしたらセーフになるんちゃうかとか、次に可能性を広げられる」

 赤星 「初球打ちも印象的でした」

 矢野 「初球から振ってこれる打者はバッテリーは嫌なのよ。だったらフォークボールから入らないといけないとか考えるし。ダルビッシュでもマー君でも、菅野でもそうだけど、おそらくファーストストライクの被打率が一番悪い。だったら初球を打っていかないと。初球をアウトになったら怒られるという理由だけで見逃すのはもったいない」

 赤星 「そのためには、準備が大切になってきます」

 矢野 「そうそう。それが大事。打撃練習で、ふつう、最初バントするやん。俺もそうしていた。でも、それを無しにした。侍ジャパンのコーチで、柳田(ソフトバンク)の打撃練習をみたらティー打撃からフルスイングしてるんよ。そしてケージに入ったら初球からフルスイングなのよ。だから試合でも柳田はむちゃ振りじゃないんよ。あれが普通なんよ」

 赤星 「1軍でそれをどこまでできるか」

 矢野 「そうなんよ、1軍でもできるかが課題になってくる。2軍はチャレンジすることが最優先。1軍は結果も求められる。だから確率を高めたものが必要になってくる。ファームと同じようにやりますと言えないのは正直、事実」

 赤星 「でも、それはできる限り、貫いてほしい」

 矢野 「赤星なんかはグリーンライトでいつでも走っていいよだった。でも足の遅い選手に出すグリーンライトはセーフになれよではなく、チャレンジしてこいよというサイン。100%セーフになる確率ってないじゃん。70%から80%があれば、行っていいと思っている。そのへんの意識を変えたいと思っているわけ。ただ根拠をもってほしい。投手のクセ、捕手の傾向とかあったので…というものかな」

 赤星 「偉そうに、これぐらいにしたらどうですかと言おうと思っていたことがあって…」

 矢野 「おっ、そういうの、どんどん言ってほしいねん」

 赤星 「確率は8割ぐらいでどうですかという話なんですけど」

 矢野 「えっ、そうなん? それで、それで?」

 赤星 「確率10割を求められると動けなくなるんですよ。盗塁成功率でいうと、8割はすごい選手。10回走ったら2度はアウトになると思ったら、もっとスタートを切れるはずです」

 矢野 「いっぱいアウトになっても文句言わんといてな」(笑い)

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2019年1月2日のニュース