【矢野監督&赤星氏対談1】虎党を楽しませて、楽しんで優勝します

[ 2019年1月2日 13:39 ]

胴上げでファンに最高の喜びを届けたい!対談でポーズを決める矢野監督(右)と赤星氏
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 ファンを喜ばせるために優勝します!阪神・矢野燿大監督(50)と本紙評論家・赤星憲広氏(42)がスポニチ紙上で新春対談した。就任1年目にかける熱い思い、自軍の戦力分析、鳥谷の遊撃挑戦がもたらす相乗効果……。ハイレベルな走塁談議も、たっぷりとお楽しみください!(取材・構成=山本浩之、吉仲博幸、森田尚忠)

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 赤星 「まず、少し去年を振り返らせてください。僕たちの時代は、甲子園であれだけ負けることは考えにくかった。僕らの時よりもヤジの量などファンも優しくなっている気がします。そういう中で、甲子園であまり勝てなかったことを選手も意識していると思います。ホーム、甲子園で勝つ方法は何かないでしょうか?」

 矢野 「ある意味、負け方という部分もあるのかな。例えばサヨナラのチャンスで消極的に初球を見逃し、結果、当てにいくような打撃をしているようなものは良くないと思っている。勝ち負けの責任は最後に俺が取る立場。“いくぞ”という感じで、ガッと行っての負けだったら次につながると思う。“ここで打てんかったらどうしよう”じゃなくて。チームスローガンにもある“オレがヤル”という気持ちで皆がやってくれたら、負けるにしても次にもつながったり、ファンの方も“まあ、しゃあないか”というものにつながると思う」

 赤星 「矢野さんが大事にしているファンサービスという意味でも、ホームで負けたらヒーローインタビューができません。矢野さんの考えを選手が体現できれば、甲子園での勝利、ファンを喜ばすことにつながるのかなと感じています」

 矢野 「優勝という目標は何か自分の中では物足りなくて、それは当たり前の目標だし、その上を行きたくて優勝より上は何やろう?と考えた時に“ファンを喜ばせること”となった。そのために、まず一番にくるのが優勝。小さいことで言えば、ヒーローインタビューだとか、声援に応えるだとか、自己アピールをどんどんするだとか。優勝よりもっとデカいところを目指していくのが大事なんじゃないかと。“この苦しい場面で打ったら、ファンをめっちゃ喜ばせられるし、自分もうれしい”というサイクルになった時、甲子園でも勝てるのかなと。勝てる試合はしっかりと勝つ。逆転勝ちもないと、盛り上がらない。このまま負けちゃうんだなという野球じゃなくて、ファンの方を最後まで足止めさせるような、そういう戦いをしたい」

 赤星 「巨人が積極的な補強をしました。広島3連覇の立役者・丸の巨人加入は大きいと思います。より混戦になるイメージがしています。ライバルチームをどうとらえていますか?」

 矢野 「キャンプ、オープン戦を見て本格的な分析は進んでいくけど、巨人の打線はやっぱりすごいことになったなあと。ビヤヌエバに、丸でしょ、岡本も成長している。ちょっと打線はとんでもないことになってきたなと感じる。でも、ピッチャーが良くなるよりはいいのかなと思ってて。まだ勝負できるのかなと。ピッチャーがびしゃっとそろい出すと、やっぱりいくら良い打線でも点は取れないから。そういう点では俺らも昔、巨人に4番打者がズラリと並んでいる時に対戦しているから、まあ、ある意味開き直れる。東京ドームであの打線だったら“そら、やられるって”くらいの開き直りで攻めていける。ソロ本塁打なら仕方ないというプラスの開き直りでいけたことが結果勝ちにつながったこともあったから。広島は丸が抜けたと言ってもバランスはいい。松山も外野ができる。外国人もバティスタ、メヒアも良いんでね。どっちにしてもその二つを意識してやっていかないといけないし、対戦成績もその二つが悪い。ましてや巨人に勝つということはタイガースファンが一番喜ぶこと。俺も喜ばせたいと言っているし、そこに勝っていくことはすごく大事な部分にしたい」

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2019年1月2日のニュース