「死ぬ気でやれ」広島・中村奨に恩師がハッパ ドラ1も1年目は1軍不出場

[ 2018年12月30日 05:30 ]

広陵高校野球教室 ( 2018年12月29日 )

子供たちの前でティー打撃を披露する広島・中村奨 (撮影・奥 調)
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 広島・中村奨成捕手(19)が29日、母校の広陵高で開かれたOBプロ野球選手による恒例の「野球教室」に参加し、恩師の中井哲之監督(56)から「死ぬ気でやれ!」とハッパをかけられた。大成を期待するからこその厳しい言葉。大型捕手は無休で自主トレに励んでおり、2年目の来季は1軍初昇格に目標を定めている

 野球教室には中村奨以外に広島・野村、巨人・小林、阪神・新井2軍打撃コーチ、日本ハム・有原ら現役、OB16人が参加。プロ1年目を終え、母校で師と仰ぐ中井監督や先輩と対面した19歳は、充実した表情だった。

 「ここに来ると背筋が伸びる。(小林)誠司さんや(DeNA)佐野さんとか、1年やっているので先輩にも接しやすいです」

 昨夏の甲子園で1大会最多の6本塁打を放ち、一躍注目を浴びた広島期待の大型捕手。だが、プロの壁は高く「打撃も守備も通用しない部分が多い」と痛感。1年目は出場83試合で打率・201、4本塁打、16打点。1軍不出場に終わった。

 「(考え方や振る舞いが)まだ大人じゃない。そこが一番じゃないですか。ぬるい」

 中井監督の開口一番は厳しかった。期待を集める分「チヤホヤされて勘違いする」とも指摘する。19歳には耳が痛い言葉。それもこれも大成を願うからこそだ。2年目に向けては「プロの厳しさがわかり、立ち位置はわかっていると思う。一層の努力を」とし、短い言葉に愛情を込めた。

 「死ぬ気でやれ!」

 無論、本人も飛躍を誓っている。オフは体づくりに主眼を置き、ウエートトレに励みながら無休で動く予定。自ら受けた遺伝子検査では、太りにくい体質だったことも判明。目下83キロの体重を85キロにするべく、意識して量を食べている。すべては来季への布石だ。

 「来年は、まず1軍に上がること。上がれば視野が広がり、考え方も変わると思う」

 この日はあいにくの積雪のためグラウンドが使えず、急きょ室内での実技披露などに切り替えられた。それでも約2時間、地元の野球少年たちと触れ合った中村奨は気持ちを新たにしていた。

 「野球好きな子がたくさんいて、小さい頃の自分を思い出した。ボクらは野球でしか元気づけられない。シーズンが始まれば、野球で結果を出したい」

 来季をにらんで自主トレに励む年の瀬。恩師からの厳しい言葉を胸に刻み、19歳は一層の奮起を誓っている。(江尾 卓也)

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2018年12月30日のニュース