阪神・西“活躍の法則”、生命線は規定投球回と防御率 達成なら2桁勝利濃厚

[ 2018年12月29日 08:30 ]

阪神の西
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 国内フリーエージェント(FA)権を行使し阪神に移籍した西勇輝投手(28)は、来季どんな成績を残すのか、虎党はもちろん、多くのプロ野球ファンも関心があるはず。同様な成績を残してきた投手の数字から予想してみた。

 西の能力で最も強調すべき点は、プロ10年間で規定投球回を5度もクリアしていることだ。一般的にプロ野球選手は26〜29歳にピークを迎えると言われ、阪神が獲得したFA選手では最も若い28歳。プロ入り時の年齢にもよるが、18年の現役選手で28歳シーズンまでに5度は10人しかおらず、高卒入団の5人全員がFA移籍(松坂はポスティング)を経験している点は興味深い。

 西は今季、8年ぶりに完投なしに終わったが、オリックスはチーム全体で2完投しかなく、僅差の終盤では守護神の増井につなぐパターンが確立されていたからと考えられる。長いイニングを投げられるタフな投手を、メジャーではイニング・イーター(食べる人)と表現するが、分業制が進んだ近年だからこそ、西のような“食える投手”の存在は重要性を増す。

 先発投手が長いイニングを投げれば、おのずと勝ち負けがついてくる。18年は5度目の2桁勝利となる10勝を挙げた一方で、3度目の2桁敗戦となる13敗を喫し「貯金をつくれない投手」という見方もされる。

 先発投手が貯金を手にするかどうかの基準は「防御率3・50」にある。最近3年間で計60試合以上に先発した投手の勝敗を見ると、通算防御率3・50未満の投手はすべて貯金があるのに対し、3・50以上の投手はほとんどが負け越し。例外として貯金のある4投手はすべて、期間中にチームがリーグ優勝するという補正材料があった。西がBクラスの3年間に6個の借金を抱えたのに対し、同じ防御率のバンデンハーク(ソ)はAクラスの3年間で13個の貯金を手にした。西が阪神で勝てる投手になるためには、打線の援護も大きな要素になる。

 本拠地が甲子園に変わることはどうか。球場は大きさ、形状、立地条件などが異なるため、球場ごとに成績の偏りが出る。球場の特性を示すパークファクター(PF、球場要因)は、ある球場での特定項目が、他の球場と比べてどれくらい偏っているかを判断するための指標。数値が1より大きければ他球場より発生しやすく、小さければ発生しにくい。甲子園の得点PFは0・82で本塁打PFは0・60。ともにセ・リーグ本拠地の中ではナゴヤドームに次いで低く投手に有利な球場といえる。西はこれまで4試合(阪神戦3、楽天戦1)に登板し、防御率0・76と実績もある。DHのないセ・リーグで打撃の負担は増えるが、防御率は今季の3・60よりも良くなる可能性が高い。

 以上を踏まえた来季の期待値は26試合で165投球回、防御率3点台前半。パ球団からセ球団へFA移籍した初年度に2桁勝利を達成したのは00年工藤(巨=12勝)と12年杉内(巨=12勝)の2人しかいないが、チームはともにリーグ優勝を果たしている。西が達成した時には、阪神も上位進出はもちろん、05年以来、14年ぶりのリーグ優勝も見えてくるはずだ。(記録・石丸 泰士)

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