菅野 大魔神に並ぶ6億5000万円もまだまだ…「将来的に10億円」子供たちに夢を

[ 2018年12月18日 05:30 ]

日本選手最高年俸に並んだ菅野は、来季の目標「20勝」の色紙を手に舌をペロリ(撮影・森沢裕)
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 巨人の菅野智之投手(29)が17日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2億円増の年俸6億5000万円でサインした。球団最高額だった02年松井秀喜の年俸6億1000万円を一気に超え、日本選手では04、05年の横浜(現DeNA)・佐々木主浩に並ぶ史上最高となった。来季の目標には20勝と3年連続沢村賞を掲げ、球界初の10億円プレーヤーへの夢も口にした。

 最高峰の成績を残し、さらなる高みを目指してきた。年俸もそうだ。レジェンドOB・松井の球団日本人最高額6億1000万円を超えたかを問われ、菅野は「そこは、はい」と控えめにうなずき、持論も口にした。

 「将来的に10億円もらう選手がいてもおかしくない。東京五輪に向けて野球界を盛り上げていかないといけない。そういうところまで目指して頑張りたい」

 1年目の1500万円から約43倍。10年目の松井をわずか7年目で超え、メジャーから復帰した「大魔神」佐々木の6億5000万円の史上最高額に並んだ。86年オフにロッテから中日に移籍した落合博満が日本人初の1億円プレーヤーになってから32年、10億円プレーヤーはいない。「お金だけではない」と付け加えたが、子供たちにとってプロを夢見るきっかけになる。

 選手会長として、野球人口拡大について発信してきた。日本野球機構(NPB)は7期連続黒字で「球団の収益も全チームで上がっている」と言及。「10億円」には「そういうものを目にしたら野球選手になりたいと思う人も増える」という真摯(しんし)な思いがある。

 将来的なメジャー挑戦を口にしているが、日本球界の発展を強く望む。今季はリーグ最多15勝、同トップの防御率2・14など沢村賞の選考基準全7項目をクリア。2年連続受賞だが「満足は何一つしていない」。来季からの背番号18にも「プレッシャーとはたくさん闘ってきた。20勝、沢村賞の項目を全部クリアする」と宣言した。

 4年ぶりに原監督の下でプレーする。「今の自分があるのは原監督のおかげ。この3年間で成長した自負もある。恩返ししたい」。5年ぶりV奪還の先頭に立つ。CSでは史上初のノーヒットノーランを達成。6年目でさらなる足跡を残した。「もっともっと上に行きたい。目標は高くなった」。史上最高の称号を手にしても、菅野にとっては通過点だろう。 (岡村 幸治)

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