岩隈、8年ぶり日本復帰 巨人の若手投手に与える影響の大きさ

[ 2018年12月14日 08:32 ]

岩隈久志投手
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 覇権奪回に向けた大型補強を進めている巨人。中島、炭谷、ビヤヌエバ、そして2年連続MVPの丸の加入も実現した。そんな中、現時点では投手陣で唯一の補強となっているのが元マリナーズ・岩隈である。「非常にワクワクしている」。楽天時代以来の11年以来、8年ぶりとなる日本復帰を心待ちにする。

 何といっても正確無比なコントロールが真骨頂だ。楽天時代の04、08年には最多勝を獲得。21勝をあげた08年は防御率1・87などタイトルを総なめにし、沢村賞にも輝いた。渡米後も光を放ち、マリナーズの13、14、16年には2桁勝利を達成。15年8月のオリオールズ戦ではノーヒットノーランも成し遂げた。

 積み重ねた結果と、日米で培った経験値。球団幹部が「若い投手にはいい手本になるはず」と語ったように、巨人では単に戦力としてというだけでなく、その言動が若手投手に与える影響も大きいだろう。2年連続沢村賞を獲得し国内では無敵となってきたエース・菅野にも、新たな発見があるかもしれない。

 今オフは自らが発起人となって進める、いじめ撲滅プロジェクトの「BE A HERO プロジェクト」というイベントに力を注いでいる。8日には大阪で行われた会に参加し「いじめのない社会をつくりたいという思いがあります」と子どもたちに託す熱い思いを語った。「このプロジェクトをいろいろな人が知ってくれたらと思います」。国内復帰、それも巨人。岩隈が活躍すればするほど、このイベントへの注目度も高まっていく。

 昨年9月には右肩のクリーニング手術を受けたが、ここまでの経過は順調だという。11月上旬には都内でメジャー複数球団のスカウトを招き、投球を披露したほどだった。復活に厳しい声もある周囲を黙らすように「この時期は僕は基本的にはボールも投げないけど、今はボールを投げながら継続してやってきている」と継続的にトレーニングを行う。

 81年生まれ。来季で38歳。中堅からベテランの域へと入ってきた。脇谷の引退で巨人の81年世代からは現役選手がいなくなったが、新加入の岩隈が再び灯をともした。同い年の私も、岩隈の日本復帰を楽しみにしている。(記者コラム・川手 達矢)

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