西 “誠意”と“関西愛”で阪神入団決断! 虎党喜ばせたい

[ 2018年12月8日 08:30 ]

矢野監督(左)、谷本球団本部長(中央)と交渉の席に着く西 (撮影・奥 調)
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 オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言した西勇輝投手(28)が7日、阪神入りを表明した。大阪市内のホテルで3度目の交渉に臨み、直接出馬した矢野燿大監督(50)の熱意を受けて即答した。ソフトバンク、DeNAからも声をかけられたが、同じ関西の球団を選択した。4年契約の総額10億円(金額は推定)で、背番号は「16」。近日中に入団会見を行う。

 約1時間、矢野監督との初めての交渉を終えた西は、背筋を伸ばして取材に対応した。迷いを断ち切った表情で語った言葉の端々から強い決意と覚悟がにじみ出た。

 「決まりました。阪神タイガースさんに、お世話になることに決めました」

 野球人生の岐路で悩み抜いた1カ月だった。残留交渉を続けてきたオリックス、巨大資金が武器のソフトバンク、DeNAも含めて全球団とそれぞれ2度ずつ交渉。阪神とは唯一3度目の交渉に及んだ。「環境を変えたくなかった。悩んで相談して、いろんな人の力があって、こういう結果に至った」。同じ関西を拠点とする新天地を選択。条件面を判断材料とするならば4年10億円の阪神よりも他球団を選んでいた。阪神を選択した決め手は、一番に求めていた「誠意」だった。

 「矢野監督からは“ファンを喜ばせたい”という言葉がありまして、球場に来てくれる方と、ともに頑張りたいと思ったので、そういう言葉を聞けて本当に嬉しかったです」

 05年優勝監督の岡田彰布氏や、安藤育成コーチが現役時代に付けていた背番号「16」を用意されたことも含めた阪神側の熱意と、矢野監督の思いに共鳴した。

 10年間在籍したオリックス時代では経験しなかった過熱報道の洗礼を受けた。先月28日に一部で「阪神決断」が報じられ、即日自身のブログを更新して火消し。「現時点で決断していることは何一つありません」。言動に慎重姿勢を強いられ、結果、今オフFA市場の大トリとなった。

 通算74勝の実績からも、いきなり来季の開幕投手の候補に挙がる。今季は自身初の開幕投手を務めてもいる。指揮官は競争を打ち出しており臨むところだが、「まあ、これから考えたいと思います」と闘志を内に秘めるにとどめた。その上で「1年間ケガなく投げきることが大事。チームの勝利に貢献できるように1イニングでも長く投げたい」と言い切った。17年ぶり最下位から逆襲に転ずる猛虎希望の日は、ニシから登る。(湯澤 涼)

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