阪神・鳥谷「苦しいシーズンだった」契約最終年へ背水覚悟「一日一日を大切に」

[ 2018年12月6日 06:07 ]

契約更改を終えて来季への意気込みを語る鳥谷(撮影・北條 貴史)   
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 阪神・鳥谷敬内野手(37)が5日、西宮市内の球団事務所で年俸4億円の現状維持で契約を更改した。15年目の今季は新人だった2004年以来の規定打席未満に終わり、打率・232、51安打、1本塁打はいずれも自己ワースト。海外フリーエージェント(FA)権を行使した14年オフに結んだ5年契約の最終年となる来季へ背水の覚悟を明かした。

 「契約的にも年齢的にも、来年が終わったところで野球を続けられるのか、辞めなきゃいけなくなるのか…になる。一日一日を大切にやっていきたい」

 メジャー挑戦も選択肢として14年オフに海外FA権を行使。年をまたいだ熟考の末に5年総額20億円で残留した。あの時に結んだ大型契約が来季で終わる。単なる節目ではない。野球人生の大きな岐路になり得る2019年だ。

 三塁でゴールデングラブ賞に輝くなど復権した17年から一転、再び試練の1年を過ごした。春季キャンプ中に2年連続コンバートが決まり、経験の少ない二塁手で開幕。打撃の調子が上がらず先発を外れる日が増え、5月29日のソフトバンク戦では歴代2位の連続出場が1939試合で途切れた。出番は減り、261打席は新人だった04年と並ぶ自己最少。打率、安打数などの打撃成績で自己最低に甘んじた。

 「なかなか試合に出られずグラウンドに立てなかった。プロ野球選手として悔しい、苦しいシーズンだった」

 来年6月で38歳。既に矢野監督との話し合いを経て、6度のベストナイン6度、4度のゴールデングラブ賞を誇るなど慣れ親しんだ遊撃への再挑戦を認められた。何より示された“全レギュラー白紙”の方針に奮い立ち、世代交代の波にあらがう決意をにじませた。

 「現状でレギュラーは決まっていない。年齢でチャンスがないわけではない。みんなにチャンスがある。若い選手に負けないぞ、という気持ちはある。毎日グラウンドに立てる状態にしていきたい。それに向けてオフ、キャンプとしっかりやっていきたい」

 チームとしても今季の最下位はプロ入り後初めて味わう屈辱だった。「一番はチームが優勝するためにやっている。その一員として1年間戦いたい。自分が若い頃はベテランの方に助けてもらった。福留さんや(藤川)球児さんもいる。ベテランみんなで若い選手をサポートできたらいい」。再起を見据える目は力強かった。

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2018年12月6日のニュース