選手会専務理事の手腕が問われるFA選手への待遇改善

[ 2018年12月6日 05:30 ]

 【プレスα ジェフ・ウィルソン】 11月28日。大リーグ選手会のトニー・クラーク専務理事(46)の2022年までの契約延長が満場一致で可決された。これには少し驚いた。彼の指導力に疑問符がついていたからだ。現行の労使協定では、交渉にあたって選手のプレー環境の改善を重視。クラブハウスに専門のシェフが雇われ、バス移動時に一人2席が確保されるなど、良くはなった。

 しかし、ぜいたく税のルール改正などで、MLBの金満球団が大金を投資しにくくなり、昨年のFA市場は冷え込んだ。大リーグの選手たちはFAの権利を得て、大型契約を結ぶことを夢見て長年、頑張っている。昨オフは良いオファーが来ず、安い金額でのサインを強いられたり、全く契約できなかった選手も少なからずいた。2月には所属先のない選手がフロリダで合同キャンプを張り、元サイ・ヤング賞投手のアリエッタは契約合意に3月までかかった。

 なぜこんな協定を結んだのか。大リーグ選手会はこれまで創設者のマービン・ミラーにしても、がんで亡くなった前専務理事のマイケル・ウェイナーにしても、労使問題に詳しい優秀な弁護士にけん引されてきた。クラークは頭の良い人物だが、弁護士ではない。8月、選手会は新たに弁護士のブルース・マイヤーを雇ったが、代表はあくまでクラーク専務理事なのである。

 一足先にオーナー側は11月15日、ロブ・マンフレッド・コミッショナーに2024年までの契約延長を与えた。マンフレッドは、試合時間を早めることに全精力を注いでいる。選手会側はそこに協力する分、FA選手がもっと報われるよう、ルール改正はできないものだろうか。

 現行の労使協定は21年12月1日に失効する。21年に本格的な交渉となるが、激戦は必至。ドジャースの守護神ジャンセンは「ストライキをしないといけないかも」と、既に覚悟している。クラーク専務理事の真の指導力が問われるのである。 (フォートワース・スター・テレグラム紙レンジャーズ担当=構成・奥田 秀樹)

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