DeNA・田中浩 戦力外から夢の続き見られた2年間「心から野球を楽しめた」

[ 2018年12月5日 10:00 ]

DeNAで14年間のプロ野球人生にピリオドを打った田中浩康
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 【決断 ユニホームを脱いだ男たち DeNA・田中浩康内野手】10月初旬に巨人と3位争いのデッドヒートを繰り広げている裏で、非情な通告を受けた。今季はわずか31試合の出場で打率・188。9月20日に出場選手登録を抹消されたが、ポストシーズンに入れば出番があると信じていたタイミングだった。

 10月9日。チームがCS進出を逃したことで、自らの気持ちにも整理がついた。2年ぶり2度目の戦力外通告。「現役を続けたい気持ちはあったけど、チームの順位が確定したことで気持ちが固まりました。最後までやり抜いたという思いはあるので」。未練がないと言えばうそになるが、踏ん切りはついた。14年間のプロ野球人生にピリオドを打つことを決めた。

 16年限りでヤクルトを戦力外となったときは現役にこだわった。コーチ就任の話もあったが、翌17年から活躍の場をDeNAに移した。

 「一度は野球を辞める覚悟をしたけど、DeNAで夢の続きを見せてもらった。心から野球を楽しめた2年間だった」

 ヤクルト時代に同僚だったラミレス監督から「ダッグアウト・キャプテン」に指名され、「自分には若い選手に声を掛ける役目があった」という。「(チームをまとめるために)どうした方がいいか、相談させてもらったこともある」と主将の筒香も言う。若いチームに経験豊富なベテランの存在は貴重だった。

 数多くの思い出があるが、移籍1年目だった昨季の開幕戦は忘れない。神宮でのヤクルト戦。「6番・二塁」でスタメン出場した。「名前をコールされて両チームのファンから大声援を受けた。言葉にできないぐらい、いろいろな気持ちが入り交じった」。試合前は複雑な感情だったが、プレーボールの直後からDeNAの勝利だけに徹した。2回の1打席目で左前打を放ち「うれしかったですね。移籍もまたプロ野球の醍醐味(だいごみ)。それも経験できたわけですから」と振り返る。

 新たな夢に向かって動きだす。「どういう形でもいいので野球に携わっていきたい。指導者は目標の一つ。いつ声を掛けていただいても大丈夫なように準備はしたい」。今月中旬には、学生野球資格の回復研修を受ける予定だ。体力維持のために週2回のジム通いを継続している。「現役を辞めたら体の痛みがなくなると思っていたけど、全然治らない。でも、グラブを見るとキャッチボールがしたくなるんですよ」。いつまでも野球への情熱は変わらない。 (重光 晋太郎)

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