セ・リーグ3連覇 広島の“強さ”が見えたソフトボールリーグ戦のネット裏

[ 2018年11月20日 13:46 ]

広島・苑田スカウト統括部長
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 先週、神宮球場で開催された日本女子ソフトボールリーグの決勝トーナメント。決勝はトヨタ自動車が延長タイブレークの末ビックカメラを破り優勝して幕を閉じた。初日の17日、トヨタ自動車―ビックカメラの1、2位対決の試合をネット裏で熱心に観戦する人を見つけた。それも試合前の守備練習から。

 「珍しいですね」と声を掛けると、その人はちょっと照れたように笑った。「以前から見たかったんですよ」そう言った声の主は今季セ・リーグで3連覇を達成した広島の苑田聡彦スカウト統括部長(73)だった。六大学野球や東都大学野球を観戦するときと同じネット裏の同じ席、試合を追う目は仕事のスカウトと同じ鋭いものだった。

 「上野とアボットの投げ合いでしょ。一度、トップのプレーを見ようとね。見てくださいよ、あの内野の動き。ウチの若い内野手にも見せたいくらいです」。詳しく聞くと、野球の本塁―一塁間は27・431メートルに対しソフトボールは18・29メートルと短い。わずかなスキも与えたら一塁はセーフになってしまう。「そう、ちょっとでもジャッグルしたり遊んだら一塁はセーフになっちゃう。遊びがない。打球への反応、捕ってからの送球のスピード。本当にすばらしいよね」と感心する。

 日本代表を数多く送り出す両チームにアメリカを代表するアボット投手。「上野もカウントが悪くなっても平然としている。110キロ超える速球に83キロのチェンジアップはすごい。打てないよね。どうやって投げているんだろうか」と競技は違っても最高峰のレベルに何か野球へのヒントはないかと探究心を持って見続けた。

 苑田さんといえば阪神前監督の金本知憲、レジェンド黒田博樹投手や現在FAでオフの主役となっている丸佳浩外野手ら数多くプロ野球で活躍した選手をドラフトで獲得。広島躍進の土台作りをした辣腕スカウトだ。昨年12月、NHKのプロフェッショナル「仕事の流儀」でも取り上げられたから知っている人も多いだろう。

 試合はビックカメラというより日本のエース上野由岐子がトヨタ自動車相手にノーヒットノーランの快挙を達成した。最後まで見届けた苑田さんは「いいものを見せてもらいました」と満足そうに球場を後にした。リュックを背負って帰る後ろ姿に広島が強い理由の一端を垣間見た思いだった。(落合 紳哉)

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