阪神 FAオリ西と初交渉 お金より…矢野監督の目指す野球観伝えた

[ 2018年11月17日 05:30 ]

オリックスからFA宣言した西
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 阪神が16日、オリックスからFA宣言している西勇輝投手(28)と初交渉した。谷本修球団本部長が交渉テーブルにつき、年俸2億5000万円をベースにした複数年の条件提示をした。しかし、それ以上に矢野燿大監督(49)のめざす野球観を熱心に伝えた。解禁日の15日にアタックしたソフトバンク、DeNAとの争奪戦が本格的にスタートした。

 ようやく「恋人」との対面を果たした。前日15日にFA交渉が解禁されてから2日目。谷本本部長が、西と初交渉のテーブルに着いた。「時間にして、30分から40分くらいでしょうか。本人と直接お会いして、お話をさせていただきました」

 球団編成トップは大阪・野田の電鉄本社でオーナー報告を終え、その足で西の元へ向かった。以前から、この日のうちに秋季キャンプ地・高知に入る予定が組まれており、移動便までの時間は限られている。その中で熱意と誠意を伝えた。「ウチはマネーゲームになると分が悪いんですけど…」と自虐的に前置きし、言葉を続けた。

 「条件面の話というのは、ほとんど無かったですね。席上では主に、こちらの持つ野球観を伝えさせていただきました。その野球観という点では、私たちと西選手との間で、相通じる部分が多かったと思っています。良いお話をさせていただいて、よかったです」

 もちろん条件面は伝えた。だが、それよりも訴えたかったのは、野球観だ。新生・矢野阪神が目指す野球とは――。そのために必要なピースであることを熱弁した。そして、本人の共感もえた。

 さらに「当球団に来たら環境はこうなります、という話もさせていただきました。多くのファンに応援していただいておりますし、多くのマスコミの方にも来ていただいているので」と公私ともに高い注目を浴びる点も包み隠さなかった。濃密な初交渉となった。

 当の西はこの日、阪神との初交渉前に、大阪・舞洲の球団施設隣接の室内練習場に姿を見せ、自主トレに励んだ。交渉解禁日だった前日15日を「朝、昼、夕、夜と一日中、忙しかったです。すごく評価してもらっているのを感じます」と振り返り、「めっちゃ悩んでいる。どの球団にも仲の良い人はいるので。そう言われたら裏切れないです」と話していた。そこにこの日、阪神も加わった。「悩みの種」が一つ、増えたことは間違いない。

 阪神は今後も非公開で、西獲得に全力を注ぐ方針。谷本球団本部長は「非常に好青年である、という印象を持ちました。伝えたいことは、伝えさせていただきました。(次回以降は)また機会があればと考えております」と言葉に力を込めた。

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